
世界を感じる
2019.3.21
インドのお祭り「ホーリー」
色粉を相手の顔に塗ったりかけ合ったりする伝統的なお祭り。場所によっては荒れ狂って相当クレイジーな感じになるところもあるらしい。(バラナシというところが有名)
大学生の時から、このお祭りとマザーハウスこそがインドに来たいと思っていた最大の理由だった。
このお祭りを楽しもうとインドはゴアのアンジュナというビーチ沿いの安宿に拠点を置いた。
そこには、スイス人のダニエルやイタリア人のジョセフ、フランス人のジュジュ、インド人のカランなど、様々な国籍の人たちが集まっていた。
この宿に着いた時にいたポーランド人のジュリアは「ここら辺のホーリーはパーティバイブスが強めで、あまり宗教的な要素は感じられないから私はハンピに行くわ」と言い、すぐに旅立ってしまった。
どうでもいい情報だけど、彼女は僕が今までに見た外国人女性の中で一番可愛いかった。あの姿はまさに“妖精”だった。
もう二度と会うことはできないだろうけど、出会いと別れもまた旅の良いところだ。
多国籍なバックパッカーたちと、自炊をしたり、チェスをしたりとても楽しい宿だった。
カランにはカレーとチャイの作り方を教えてもらった。目的である本場のカレーの勉強もしつつ、有意義な時間を過ごすことができた。
そして、ホーリー当日。
昼になるにつれて、街には頬や額、身体のいたるところがカラフルになっている人達が増えてきた。
僕らも動き出そうかということで、まずはダニエルとジョセフとビールを買いに行く。
宿からマーケットに向かう途中、早速近くの子どもたちや現地人から粉を塗られたり、水鉄砲で色水をかけられた。
これこれ、これを体験しに来たんだ〜!とテンションが上がる。
ビールを買って宿に戻ると、他の人たちも少しずつカラフルになっている。
カランがフルーツバンチを作ろうと言い出し、みんなで酒と果物をボウルにぶち込む。
ゴアは南国なのでフルーツが甘くて美味しいため、それだけで美酒へと昇華される。
みんなでお喋りしながらフルーツバンチを飲み干し、ビーチへと出かける。
このボウルの中身がフルーツバンチ。手も洗わず素手で包丁も洗わず作っていたので、不衛生間違いなし。まあ美味しいから気にせず飲むけど。笑
ビーチはトランスやEDMが海の家から爆音で流れており、みんなお祭り騒ぎ。
ところどころ砂浜は色粉で染まっている。
僕はビールやフルーツバンチなどなど、長年求めていたホーリーということもあり、スーパーハイテンションだった。
インド人はもともと踊りが好きな陽気な人たちっぽいので、「どっから来たんだよ?とりあえず踊ろうぜーマイフレンド!!」みたいな感じだった。
そこは、インド人がもちろん多いのだけれど、同じ宿のメンバーや近くの宿の外国人など、様々な人種の人たちがみんな賑やかに楽しんでいた。
年齢も様々で、お年寄りもいれば幼稚園ぐらいの子どもたちも家族でホーリーを楽しんでいた。
照りつける太陽、キラキラ輝く海、爆音で鳴り響く音楽。
その中で踊ったり海水浴したり、色粉ぶっかけあったり酒飲んだりと誰もが自分の好きなことをしていた。
人種も違えば年齢も違う。宗教だって肌の色だって違う人たちが皆、その場ではホーリーというお祭りの名の下、同じグルーヴを生み出していた。
「世界ってこんな簡単に一つになれるんだ」「こんなにも簡単につながることができるんだ」そんな思いが芽生えた。
ただただ、純粋にこの一瞬を楽しむことだけをみんなが求めている。
ダニエルとはアイコンタクトで意思疎通できたし、踊ろうぜと誘ってくれたインド人の動きに合わせるだけで普段踊ることのない僕が今日初めて会った彼と楽しい時間を共有できているじゃないか。
すごくハッピーな気分だった。こんなにも素晴らしい時間に出会えたことに心が震えた。
世界は僕で、僕は世界だった。
世界とつながることなんてめちゃくちゃイージーだった。ただ、自分が心の扉を開くだけ。自分が思い切って一歩踏み出すだけで世界は常に自分を待っていた。
初めは本当に旅立つのが怖くて不安で仕方なかった。けど、そんな自分をじいちゃんの助言も受けて乗り越えたからこそ出会えた。
来て、見て、感じることができて本当によかったと思った。
きっと誰にだってそういうことはあって、チャレンジしたいけど、不安だったり、怖かったりしてなかなか踏み出せないことがあると思う。
何も海外で見知らぬ場所に行くことだけじゃない。
自分で仕事を作ってみたかったり、挑戦したい趣味があったり。
でも、周りの目や自分の安定を気にして保守的になってやらない・できない言い訳を探してしまう。
今これを書いている僕だってまだまだ完全にそういった思考を振り切れないでいる。
でも、世界は僕やみんなの踏み出す一歩を待ってる。それがきっかけで繋がる、見つかる何かが必ずある。
その経験は自分を強くしたり、世界観を広げてくれたり自分の成長の糧になることは間違いない。
躊躇っているその一歩を踏み出そう。