【113日目】「尼子の落人」後日譚
ご隠居からのメール:【「尼子の落人」後日譚】
いろいろ話したが、このメールのやりとりのおかげで、三部作の第三弾「尼子の落人」の構想がほぼかたまってきた。80歳過ぎてからでも、やるべきことが見つかったのは生きがいにもつながってありがたい。
返信:【Re_「尼子の落人」後日譚】
出版たのしみだね!「ふゆ物語」は、情報がかなり少ないので僅かな事実と時代背景から、心温まるファミリーヒストリーを期待するよ。ふゆさんが、どんな女傑だったのか、善右衛門さんと、どのように出会い、何を成し遂げたのか。。そして、安次郎さんと友次郎さんの出産、分家の話しとかだね。
自分なりにざっくり、フィクションストーリーを考えてみた。
古墳・飛鳥時代から代々続く長谷部家一族は、幕府を支える武家の一族。鎌倉時代には源氏の繁栄を支えるも1600年の関ヶ原の戦いでは、西方の毛利に属していたため徳川から身を隠すように、百姓に落ちた。先祖代々続く隠れ地には、1578年、月山富田城から逃げ延びた尼子十勇士に住処を提供し匿っていた。元々、尼子家臣でもあった長谷部一族は、尼子十勇士とお家復興の契りを交わし、尼子十勇士は亀井茲矩が築いた亀井家の権力に隠れながら、銀山採掘などでチカラを蓄え機会を伺っていた。
様々な挫折や裏切りを繰り返し
やがて、時が経つ…
尼子十勇士との契りを守るため、尼子の家を引く女性との結婚を定められている長谷部家。尼子の血は、応仁の乱で日野富子が逃げ落ちたと言われる、日野郡で脈々と受け継がれていった。
時は、江戸後期。與左衛門さんと、妻である日野郡出身のなかさん。ふたりの間に子供はできるが、悲しいことに、生まれてくる幼子たちは、流行病で亡くなってしまう。しかし、3女のふゆは、病に負けず健やかに育つことができた。4年後には待望の男児、弥左衛門さんが生まれる。家族は喜びと期待をもって弥左衛門さんに表向きには百姓を。そして精神は、立派な武士に育てるために、父、與左衛門さんは、厳しい指導をする。
あるとき、弥左衛門さんは、父の厳しい指導に耐えきれず、涙をながしながら、ひとり川沿いで泣いていた。すると、突然、見知らぬ女の子が話しかけてきた。彼女の名は、同じ村に住んでいる、福田左トさんだった。やがて、弥左衛門さんと左トさんは恋仲となり、結婚を約束する間柄になったが、父、與左衛門さんは、ふたりの婚姻を一切認めなかった。なぜなら、長谷部一族の定めがあるからだ。
一方、ふゆさんは、父、與左衛門さんの期待に応え、文武両道、優秀に育ち、〇〇村の善右衛門さんとお見合い結婚をすることになった。このとき、與左衛門さんは、尼子の血を引く家系を残すため、信谷家を分家させることを画策する。
弥左衛門さんも負けてはいない。どうしても左トさんと結婚したい弥左衛門さんは、未婚のまま家督を継いだ弥左衛門さんは、左トさんの弟、喜代太郎さんを養子にとり、日南出身の田村イソさんと婚姻させ尼子の血を残す案を練り、見事、與左衛門さんを納得させたのだ。
輿左衛門さんは、新たな家を建て大きな尼子の墓をつくることにした。子孫が尼子一族としていつの日か、日本を支えるお家復興を願って。そんな與左衛門さんに転機が訪れる。なんと、分家したふゆさんの子が双子だったのだ。ふたりには、友次郎、安次郎と名をつけ、與左衛門さんは、自分の妻、なかさんを乳母として、友次郎さんを長谷部家の養子にし、安次郎さんを信谷家で育てることにしたのだ。
一方、長谷部家の養子になった喜代太郎さんは、長谷部家を盛り立てようと毎日マジメに働いた。村の人たちにも好評の好青年だったが、妻であるイソさんとの間に子宝は恵まれなかった。イソさんは、周りのプレッシャーから心を病んでしまうが、優しい喜代太郎さんは、イソさんを見捨てなかった。。
そんな喜代太郎さんの様子と実力を與左衛門さんがついに認める出来事が起きる。喜代太郎さんは、弥左衛門さんに続き、家督を継ぐことに成功した。しかし、喜代太郎さんには2年後不慮の死が訪れる。心の支えだった喜代太郎さんを失い荒れ狂ったイソさんは、長谷部一族と尼子一族の宿命を恨み、家宝の家系図を西谷家に売ってしまう。
さすがに怒った、與左衛門さんはじめ、長谷部家は、イソさんを日野郡の実家に送り返す。しかし、リスクヘッジしていた、與左衛門さんにとっては、自らが思い描いたとおりに友次郎さんに家督を継がせることができた。やがて、與左衛門さんが亡くなり、弥左衛門さんは、左トさんと結婚する。
弥左衛門さんは63歳、左トさんは51歳だった。
戦国時代から続く長谷部家の定めと、親子の画策に巻き込まれながら描く純愛ファミリーヒストリーだな。話しは、変わるけど2022年の大河ドラマは、「鎌倉殿の13人」三谷幸喜監督作が、放映される予定。もちろん、坂東武士として、三浦義澄と三浦義村も登場する。いまからたのしみだ。
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