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【91日目】二〇三高地

ご隠居からのメール:【二〇三高地】

コロナ禍のゲームチェンジャーはどうやらワクチン接種のようだが、日露戦争二〇三高地攻略戦のゲームチェンジャーは二十八サンチ砲だった。その巨砲で二〇三高地に援護射撃せよと児玉源太郎は主張するが、乃木希典は何も言わない。乃木に代わって反論したのは豊島陽蔵や佐藤鋼次郎などの専門家だ。

児玉は二十八サンチ榴弾砲を敵の軍艦に射てと命令した。「それは不可であります」と豊島は即座に言った。「理由を言え」まず、二十八サンチ榴弾砲というのはいかに巨砲でも撒甲弾ではなく榴弾をうちだすわけであり、軍艦をつらぬくことができないなどの意見を述べた。

(この男、すこし馬鹿か)と、児玉は豊島の口ひげあたりをしみじみと見た。次に、「となれば、味方を射つおそれがあります。おそれというより、その公算大であります」と佐藤は言った。これこそ玄人論であった・・・・・・。「そこをうまくやれ」と、児玉はおだやかにいった。

佐藤は、承知しなかった。「陛下の赤子を、陛下の砲でもって射つことはできません」といったから、児玉は突如、両眼に涙をあふれさせて、「陛下の赤子を、無為無能の作戦によっていたずらに死なせてきたのはたれか。・・・・・・」

嫡子は兵役の義務を免除されると定められていたので、喜代太郎さんは養子になることによって兵役を免除されたということも考えられる。


返信:【Re_二〇三高地】

坂の上の雲のドラマをみて印象的な事はいくつかあるが、秋山真之が当初から陸軍に旅順港に砲弾さえ落としくれたらと嘆願していたこと。児玉源太郎が乃木将軍に代わり指揮を執るため満州鉄道に乗ると車窓から、日本軍人の墓標が無数に建てられており、児玉源太郎がこれから激怒したこと。そして、今回記載のある戦場を二〇三高地に変え、児玉源太郎が参謀を一蹴し二十八サンチ砲を撃ち込むシーンが脳裏にある。

坂の上の雲だと秋山真之や秋山好古、東郷平八郎、児玉源太郎は日本を救ったヒーローにうつり、大山巌や乃木希典は、無口で無能なリーダーに見えてしまう。判断ミスにより多くの犠牲者をだしたことを酷評してるのだと思うが、結果、ふたりは、軍神として歴史に名を残し靖国神社近くの皇居のほとりに大きな銅像がたっている。

「勝って兜の緒を締めよ」

自分もそうだが、日本人が、すぐに忘れてしまう名言だと思う。嫡子兵役免除は、初めて知った。やはり、近代史は、色々知らないこと、隠されていることが多い。


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