【73日目】物語
ご隠居からのメール:【物語】
與一さんは息子に期待しすぎて裏切られた。農機具や農作業にまったく興味を示さない息子より、喜んでトラクターなどに乗ったりする孫のほうが頼もしいと思っていたようだ。しかし、「ここから見えるすべての土地は全部長谷部の土地だ」と興一さんがJに言ったときは晩年で、昔の栄光のまぼろしを追って、孫に対して見栄をはっていると思う。
目の前に見える土地の多くは長谷部の土地にはちがいないが、大半は亀三おじさんのものだ。「みんなこの子のものです」と勝治郎さんがはるさんに言ったときの土地は半減しているし、それ以前だって、信谷氏が分家した際に減少していたはずだ。
長谷部家や佐藤家のファミリーヒストリーをふりかえってみると、土地や金ははかない泡のようなものだ。それに対して確実にご先祖から受け継いでいるのはDNAだと思う。変異しながら生きていくDNAこそご先祖様の贈り物だ。
幸せになれる時代にしてくれたのは、ご先祖様のおかげだが、それは具体的なかたちでいうと、一つには「家」であり、もう一つはDNAだ。
家、DNA、そしてもう一つのかたちはファミリーヒストリーの物語かもしれない。Noteやブログでの物語の続きを期待している。
返信:【Re_物語】
そうだね、ブログやnoteの作成、スキマ時間で少しずつ書いていくよ!
また、信谷さんや救世軍や山室軍平、伝蔵さんなど新し情報があったら、教えてください!いちど、今までのメールのやり取りを振り返ってもういちど、各々整理しながら調べてみるよ。
新しい発見があるかもしれないし! あと、『山椒魚の故郷』のコピーはないのかね。あったら、今度みせて。