台風茶屋
昨日から、この辺りは一応台風ということで葡萄の収穫・出荷はお休みで久しぶりのnoteの世界に帰ってきた。
デラウェアの収穫はひと段落。
今はシャインマスカットの収穫を楽しんでいる。
デラウェアの収穫・出荷は短期集中型で、陸上競技に例えるなら400m走といったところだ。
皮がデリケートなことから、熟した後の持ちが悪く、湿度で割れることもあるためスピード勝負となる。
ある程度のスピードとリズムが必要で、それを維持しながら、積み上げられた葡萄のコンテナの山に向き合い、淡々と箱詰めを終わらせなければならない。
実り、紫色が漆黒の夜のように深まるまで、自分の娘のように大事に眺めるのに出荷は別れを惜しむ間もなく、手際よく箱に収められていく。
その点、シャインマスカットは皮がしっかりしているので、湿度で割れるという心配がない。袋を開けた瞬間の妖艶なマスカット香を楽しみながら様々な黄緑色の粒を愛でながら『いってらっしゃいね』って送り出す。
ただ、圃場の数が多いので長丁場となる。
陸上競技に例えるなら、景色を楽しみながらのクロスカントリーといったところだろうか。
そして、この台風によるお休みの時間は、峠の茶屋で雨音を聴きながらの給水タイムといったイメージになる。
庭からはコオロギとマツムシの歌まで聴こえてくる。
イメージ通りに、台風サンサンはこの辺りに来るころには温帯低気圧となり、雨は畑への慈雨となった。
サンサンは私達にも休息の時間をもたらしてくれた。
メディアの前評判のおかげで学校も休校となり、地域一帯が静まり返ったお休みモード。
シトシトと降り続く優しい雨がみんなの夏の疲れと、日々がんばった記憶の残像を洗い流してくれているように感じる。
明日から新しいシーズンが始まりそうな予感。
経済も、地球と人類(生命)の未来も、先の読めないものになっている。
それでも、美しく豊かな自然が蘇り、人も愛と平和な心の発達した新(真)人類へと覚醒し、搾取や暴力の無い世界になって欲しいという願いだけはちゃんとあるし絶対に譲らないぞ。