2017欧州バレー観戦の旅60~欧州チャンピオンズリーグ・決勝
4月30日
チャンピオンズリーグ決勝
ペルージャ対カザン。
前日の快挙で
これはもしかするといけるんじゃない!?
なんて思ってしまったことが
恥ずかしくなるくらい
決勝のカザン戦はやられまくりました。
第1セット前半こそリードする展開でしたが
それはカザン本来の力が出せていなかったまで。
以降はいつもの力を発揮し、
あれよあれよという間に
点数を奪われていきました。
第2セットもなんとか
食らいついてはいったのですが、
最終的に力及ばず失セット。
第3セット、
とことんやられ続けるペルージャを見ていたら
涙が出てきました。
悲しかったから…ではないんです。
嬉しかったんです。
やられてもやられても
お互いに庇い合いながら
立ち上がり、立て直そうとする選手たち。
それを見ていたらいいチームだ…と
心動かされたのです。
思えば今季の開幕当初
よそよそしかった選手たち。
それぞれがそれぞれを伺いながら
プレーをしていたように見えました。
バシッとクイックを決めても
輪に交わらずサーブ位置に付こうとする
ポドラスチャニンを
来いよ!と呼んでやっとひとつになれたり、
遠慮している姿も度々伺えました。
これまで目を合わせることがほとんどなかった
イタリアとセルビアのエースも
同じコート上で気が付けば兄弟のように
喜び合う仲になりました。
ザイツェフとアタナシエビッチの
讃え合う姿はホントに美しい…
そんなシーズンを通し、
今ここで、しっかりと
「チーム」になっている姿に涙がボロボロ。
それはコート上だけなく
控えの選手たちを見ても。
やられ続けるコート上の選手を
肩を組んで見守る控えの選手たちの団結した姿、
涙はとめどなく溢れてきました。
試合は0‐3で決着がつき
史上最高につまらなかったと
友人は話していました。
だけど、私にとっては
こんなに泣けてきた試合は初めて。
この戦いを最後にこの場所で見られて
幸せに感じました。
一時はもう一生、観戦旅行が
出来なくなるんじゃないかと
諦めていた時期もあっただけに、
ここにいることはひとつの奇跡。
ホントに幸運で、ありがたいこと。
内容は決していい闘い、
いいバレーではなかったけれど、
ここで繰り広げられている
今シーズンの長いドラマの結末は
最高のハッピーエンドに思えたのでした。
多分私は、真のバレーファン、
競技のファンではないんだろうな…
ただただ単純にチームが好きなだけ。
だから、疑問はあれど(笑)、
ペルージャの選手が連呼される表彰式には
より一層涙が溢れてきました。
コンバートして苦しいシーズンを
過ごしたザイツェフは
サーブ賞とベストアウトサイド。
ルーベから移籍して
古巣との勝負で勝てない悔しさを
やっと覆すことができた
ポドラスチャニンはベストミドル。
ペルージャ3年目、
いろんな選択肢を楽しむように
コーディネートしてきたデセッコは
ベストセッター。
そして…
手術を乗り越え、
完全復活したアタナシエビッチは
ベストオポジット。
スポンサーの関係か、
ペルージャ選手が多くないか?(笑)
と感動の最中、
若干突っ込む気持ちもありましたが、
でも、いいんです。これで。
ファイナル、負けても
楽しそうに表彰台に上がる
ペルージャの選手たちは
涙で滲んでいたせいかより一層
輝いて見えました。
大会全行程が終わり、余韻に浸ろとする客席。
角の席で佇んでいたら
なんと、すぐそこにアタナシエビッチの姿が!
いつの間にーーーーー!?
セレモニーの最中、
客席をじーっと見ていた彼は
きっとサポーターのもとへ走るつもりで
ルートを確認していたのでしょう(笑)。
柵を乗り越え、
サポーターエリアへと乗り込み
皆と一緒に応援チャントを大合唱。
大盛り上がりのサポーター陣を
得意げに仕切りながら
何度も何度も歌い上げたのでした。
パフォーマンスの素晴らしさを
じっくり楽しむ一方で
こんな風に一丸となって
応援する楽しさもある。
私にとってバレーは
沢山の角度から楽しませてくれる
最高のエンターテイメントです。
沢山の試合を見てきて、
それぞれに楽しみ方があるし、
それぞれに満足感も多種多様。
きっとまだ味わっていない楽しさも
いっぱいあるんだろうな…。
そう、バレー観戦の喜びは∞(無限大)!!
ポーランドリーグに反し不思議とここでは
終わった悲しみを感じることはなく、
次の新しいシーズンを
楽しみ待つ気持ちの方が勝っていました。
61へつづく…
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