VOLLEY TOUR 2024【12】~Verona対LUBE
3月3日(日) この日の観戦はヴェローナでLUBEとの対戦。
リシナツ同様、日本で見られると思っていたヨボビッチでしたが、6月のVNLも10月のOQTも代表から外れてしまい、叶うことはありませんでした。一体なぜ、コラコビッチ監督はヨボビッチを選ばなかったのか…。波紋は私たちセルビアファンだけかと思いきや、セルビア国内でも広がっていると聞き、やはりこの選抜はおかしいのだと納得しました。世代交代は必要ですが、なぜこのタイミングで外すのだろう…?トドロビッチをメインにするとしても、国際大会の重要な場面を全く経験したことのない状態で、控えには使う気のないバタクを連れて行くなんて、本気で勝つ気がないとしか思えない。彼のいない代表を想像し、涙が止まりませんでした。
グルビッチという伝説のセッターの存在が大きく、後継者のヨボビッチの評価高くはないのかもしれません。ですが、今のセルビア代表メンバーがそれぞれの力を存分に発揮するには、どう考えても彼がベター。表には分かりづらいかもしれませんが、彼のコミュニケーション力はコート内で声を上げるだけでなく、信頼関係を築くのにとても有用なのです。それが露になった日本でのOQT…。やはり彼が必要だったことが証明されたと思いました。
私たちセルビアファンにとって重要なヨボビッチ。
そんな会いたくてたまらなかった彼が目の前に!!!!
屈託のない笑顔は健在で、コロナ前、最後に会ったロシアのウファでの笑顔と全く変わっていません。むしろ笑顔がパワーアップしたように感じます。会えなかった5年はこの変わらない笑顔であっという間に埋められ、寂しさや苦しさで落ち込んでいた分、胸の高鳴りは倍増していました。
常に笑顔で楽しそうにプレーをするヨボビッチ。彼を見ているだけで心が満たされていきます。本来ならプレーを存分に見ないと満足できないところですが、このチームに契約した時点で控えセッターとなり、コートに立つ機会が少ないことは覚悟していました。それでもシーズン始まって、3,4試合はスタメンフル出場も果たしています。そこから正セッターの地位を奪い取ってほしいと願いましたが、残念ながらここ最近は出場の機会がなし…。この日もLUBEと順位を賭けた争いで、おそらく出番はないものと覚悟していました。
彼の姿が見られればそれで十分。そう、私はバレーファンではなくセルビア選手のファンなので、リアルな世界で動いている姿をこの目で見られれば、それで幸せなのです。
と、言いきかせてはみましたが…
接戦で点差が付けられていくと、体を動かし始め準備をするヨボビッチ。それを見たらやっぱり、パフォーマンスを見たい!と思わずにはいられませんでした。
昨季までの2年間はロシアのDinamoLOでプレーしていたヨボビッチ。同じセルビア代表のイボビッチとのコンビがピッタリで、パイプ攻撃を連発していました。オンライン観戦してはそのトスワークを生で見たくてウズウズ…。LOに行ってから、2アタックもこれまで以上に度々披露するようになり、無謀だと思われる場所でも攻撃に繋がるトスを上手く上げ、コロナ禍で格段に攻撃的な刺激的なパフォーマンスをたくさん見せてくれるようになっていたのです。
だから…やっぱり…そのパフォーマンスが見たい!!!
願いは通じ、2セット目、ついにセッター交替の場面がやってきました。
大差を付けられた終盤、ここから逆転は無理でしょう…ストイチェフさん…。ホントに勝ちたかったらもっと早く交替させるべきでは?と、技術など何も分かっていないファンは無責任に言ってしまいそうになりますが、いやいや、捨てセットだとしても出場の機会を与えてくれてことに、心から感謝!
交替後、コート上の空気を換えるという役目はしっかり果たし、点数に繋げたのを見られて、ほらね!と自慢げになるのでした。
2セットを取られ、後がない状態でしたが、3セット目も変わらずセッターはスピリト。ヨボビッチを期待しましたが、残念ながら控えのままでした。
コートを外から見つめるヨボビッチ…この状態をどう思っているのかな…。常に笑顔を見せてくれているけれど、その下で何を思っているのだろうか…。
いろいろ思うことはありますが、とにかく今は見られたことに感謝して深くは考えないようにしました。そう、ファンがネガティブに考えても、何もならない!
試合は0-3でLUBEの勝利。
終了後は客席をぐるっとハイタッチで回るのが恒例のヴェローナチームですが、負けたこともあってチームはどんより…。
でも、その中で大勢のファンに丁寧に応じているヨボビッチの姿をしっかり確認。試合に出ていない分、観客の対応をするのが自分の役目と言わんばかりに、今まで見たことのないくらいの長い時間をかけ、笑顔で応えていました。
試合後、声を掛け少し話をした際、わざわざ中央大学の笹本選手を呼んで紹介してくれるという心遣いまで見せてくれました。パフォーマンスはわずか数分しか見られませんでしたが、彼が今、どんな様子でいるのかを見ることができ、持ち前の明るいキャラクターでチームに溶け込んでいるのも確認できて、私の目的は十分に果たせたと思いました。この一つ一つのアクションや、目にしてきたワンシーンワンシーンが積み重なって、さらに応援の気持ちが強くなっていく観戦旅。
この先の彼のキャリアがどんなものであろうとも、たとえ代表で見ることがなくなったとしても、変わらず応援していきたいと強く思うのでした。
13へつづく…
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