TOUR 2022【23】~Trento対Padova
試合開始1時間前、開場時刻ピッタリに入り口へ到着。
この旅3度目となるトレントでの観戦ということで、もう、ためらいなく入場できます。ペットボトルがないか?傘を持っていたらカゴの中へ…言われることは予想できるので、あたかもイタリア語を理解しているかのように、聞き流しながらさらっと入場。やっとここに馴染めた気がしました。
今回は、前回と前々回の反省を踏まえ、選手が来る前にまず、VIPルームの軽食エリアへダッシュ。
オープンして間もないこの時間、早過ぎて誰もいない部屋に入り辛さを隠し切れず、恐る恐る入っていきます。すると先客を一人発見! 一人でガッツリ食べ込んでいる男性を見ながら仲間がいるようで安心し、私も遠慮なくガッツリいただいてきました。
ゆっくり食べていたいけど、選手の練習風景も観たいし、グッズ売り場にも行きたい。ということで、次はグッズ売り場にダッシュ。
前回はユニフォームを購入したので今回は似顔絵Tシャツを購入。これもユニフォーム同様、現場でプリントしてくれくれるシステムで、30分後に受け取りに来るように言われました。
用事を全て済ませて、いざ観戦へ!
今回のPadovaとの対戦、日本人としては高橋藍選手も気になるところですが、セルビア好きの私はぺトコビッチにも注目。
今回のナショナルチームでは、ルブリッチに変わり第2オポとしてシーズンを全うしたぺトコビッチ。パドヴァでも活躍を見せているようで、ここでしっかりと見ておきたかったのでした。
といいつつ…ごめんなさい…やっぱり応援したいのはトレントです…。
今回もZaksaを倒した時同様に、チームワークに期待します。ミラノとの敗退から、1週間。ちょっと悪夢も過りますが、今回は大丈夫だろうと祈ります。今回はリシナツはもちろんのこと、ここ2試合目立たなかったポドラスチャニンの活躍を心から祈りました。
試合はスベルトーリのエースで始まり、上々のトレント。心配だったポドラスチャニンも、「セルビアの壁」の名を守り抜き頼もしい守備を見せてくれます。止めた相手はぺトコビッチと高橋選手…。うーん、、、よりによって・・・。手放しには喜べないTrento対Padovaです。
ポドラスチャニンがいつのも調子を取り戻し、安心している傍でリシナツは、今回もめまぐるしい活躍をみせています。ブロックにアタックにサーブとまぁ、見事な活躍。朝の練習で影の努力を見せてもらい、それが実を結んだようで何とも言えない達成感。いや、私が努力したわけではないですが…努力が実る過程を見てきて、このひとつのストーリーに胸を打たれるのでした。
第1セット中盤、トレントがリードを広げていくと、高橋選手はコートの外へ。残念ながら交代させられてしまいました。なんとも残念な事態。トレント贔屓で観ながらも、高橋選手も観ておきたいというのは、やはり虫が良すぎるのでしょうか…。でも、これもまた沢山の観戦歴の中のひとつで、いつかこれが良い思い出になる日が来るのだと思いました。
かつては石川選手もスタメンではない時代がありました。セルビアファンとしてセリエの対戦をいくつも見てきて、シャットアウトされる場面が本当に多くあったように思います。コロナ前、最後にペルージャで見た2020年年2月の試合で、石川選手の所属していたパドヴァから圧勝したペルージャ。アタナシエビッチが驚異の決定率94%を記録したことを思い出しても、石川選手にとってはいろんな苦しい経験があったのだと思います。でも、今やセリエでも有能なOH。みるみる進化しています。だからこそ、高橋選手のこの先も楽しみ!ここからの物語の展開に興味をそそられるのでした。
と、思っていた矢先…第3セット終盤。なんと、ピンチサーバーで高橋選手の登場。
思いがけず出番がやってきたことに、ドキドキしてしまいます。これは日本人としての期待のドキドキ感。トレントとの点差がわずかにあったので、勝敗のドキドキというよりは期待のドキドキという方が近いでしょうか…しかし、そんな贔屓目は余計なお世話だったのだと確信させられるのでした。
高橋選手の打ったサーブはミケレットのレセプションをはじき、エンドラインへ。かろうじてリベロのドメニコの脚が届き、繋ぐことができましたが、これがパドヴァの攻撃となってぺトコビッチに決められてしまいました。
トレント目線で見ていると、このサーブ、危険!!と警戒心を強めるレベル。でも、一方でこの警戒心を喜んでいる自分がいました。
やっぱり高橋選手も間違いなく何かを持っている…。存在感はこのコート上でしっかり証明され、日本の期待の星であることを実感しました。やっぱり期待通りだった…と、高橋選手のこれからがより一層楽しみになったことは言うまでもありません。
試合は3-0でトレントの勝利。
私の期待通りセルビアの2人が活躍してくれて、3試合目にして満足の行く内容でした。
でも一方で、ベンチでじーっと座ったまま動かないぺトコビッチ。ここでもまた、ペトリッチの時と同様に苦しんでいる姿を見て、胸が痛くなるのでした。
たかが趣味。たかがバレー観戦。でも一つ一つに感情が湧いてくるから、単なる楽しみとは割り切れず、心が揺さぶられます。逆に言うと、それがなかったら、ここまで観戦に来てないはず…。This is my life…こんな日々が私の推し生活で、この日々をずっと待ち望んでいたのだと実感するのでした。
【24】へつづく…