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Sepultura/Quadraを聴いての所見

昨日、ブラジルのエクストリーム/スラッシュメタルの雄、Sepulturaの15枚目のアルバムがリリースされました。
聴いてみたらこれがまー濃密だったんで、思ったところを書き記しておこうかなってのが今回の記事です。

これちょっとジャンルで括るのもおこがましいなって感じの一枚なので、
気になったトラックを挙げつつ、細かいとこを書いていきましょうかね。

Tr.1 Isolation
大仰なオーケストラから幕を開ける一曲目。
突如ファストなスラッシュチューンに変貌する流れに面食らいますが
最後まで聞いてからこの開幕に戻ってくると素晴らしい構成美を感じますね…

Tr.4 Capital Enslavement
トライバルなパーカッションが異彩を放つトラック。
ここからの三曲にはリズム隊がどれも変化球気味というか
新たなグルーヴの提案フェイズという感じがしますね。

Tr.7 Guardians Of Earth
大きく方向性を変えるのはここから。
これまでのグルーヴで聞かせる楽曲から一転してメロディを聞かせる
流れになってきます。

Tr.9 Autem
このトラックなんかはインダストリアルメタルみを感じる…
個人的にこれが今回一番好きかも。

Tr.10 Quadra
タイトルトラックにも関わらず一分ないアコースティックな一曲。
ここからこのアルバム脅威の最終楽章が始まります。

Tr.11 Agony Of Defeat
これホントなんなんでしょうね。
ジャンルで括るって行為が愚かしく感じるエクスペリメンタルなトラック。
シンフォニックな要素を大胆に活用、クワイアも取り入れ壮大さが際立ちます。
吐き捨てるようなそれではなく、メロディックに歌い上げるボーカルも相まって、これなんのバンドだっけ…って思わず漏らしてしまうような、バンドの底知れぬ懐の深さを見せつける一曲です。

Tr.12 Fear; Pain; Chaos; Suffering
ラストトラックにはついに女性ボーカルも加わります。
この終わりの三曲があまりに挑戦的で
Sepulturaってバンドは今も先駆者として走り続けようとするバンドなんだな…ってのをまざまざと感じます。

大体三曲毎に変わる空気感や、終盤の楽曲群の先進性から
聴いた後の感覚はプログレッシブメタルに近いものがありますね…
30年以上もの活動歴を持つバンドから、ここまで鋭いものをぶつけられると
ただただ感服する他ありません。

僕が言うまでもないですが、一聴の価値大いにありの一枚でした。
皆様も是非。

では今回はこの辺りで。
お読み頂きありがとうございました。