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「43歳の壁」

こんにちは♪

映像ディレクターの斉藤です。

僕は趣味が登山なのですが、先日衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。

日本を代表する登山家である平出和也さんと中島健郎さんが世界で最も難関とされるパキスタンK2西壁の未踏ルートからの登攀中に何らかの事故で遭難したとのこと。
世界中のクライマーたちが挑戦する事さえ諦めかけた難攻不落のルート。2人ならこの偉業を!とテレビなどでも注目をされていました。
その後、ヘリコプターから2人の姿は確認出来たものの、あまりに険しい場所で近づくことさえも出来ず救出は打ち切られた。
2人は山そのものを墓標としていつか西壁に挑戦する次世代の登山家を待つことになった。
平出和也さん45歳、中島健郎さん39歳だった。

僕のようなズブズブの素人にはもちろん無縁の世界だが、登山家の間では「43歳の壁」という言葉がある。

多くのロックスターが27歳で死んでいったように、植村直己さんを始め多くの登山家が43歳で命を落としていった。
コロナ禍での計画の変更などを考えると平出さんもまた、この系譜の中に入るのかもしれない。

僕と同い年の現在48歳の冒険家で小説家の角幡唯介さんは42歳のときにエッセイでこのように書いている。

四十三歳――。

それは、私の考えを述べれば、経験の拡大に肉体が追いつかなくなりはじめる年齢である。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/04/43-13_2.php

若い頃からやってきた経験が円熟を迎えて気持ちの上では最高潮になっているのに、昔より身体のいう事が聞かなくなっている事に気がつく。
このアンバランスさが43歳の不幸を招くと角幡さんは分析する。

確かに自分にも身に覚えがある。。。

しかし、そのような冷静な分析をしながらも
角幡さんは結局43歳の年も北極に冒険へと向かった。そして、それからも冒険を続けている。
角幡さんは生き延びた。

究極の挑戦をしてそこで力尽きた43歳の最高峰の冒険家たちは最も輝けるときに燃え尽きた凄い人たちである。ある意味では幸せだったのかもとさえ思ってしまう。

しかし、その壁を超えて生き延びた人たちには、
ある種の虚無感と焦燥感だけが残って生きていくのだろうか?

当然のように、大冒険家でも何でもない僕は
「そろそろ徹夜も出来なくなったよなーー。」
「腰が痛いなーー。」
「何か最近焼肉とかガッツリ食べられなくなってきたよねーー。」
とか言いながらも結局は自分に出来る挑戦を探して
上手くいったり、いかなかったりするのである。

わかっていてもやめられない。

結局のところそんな事だけが増えていくのである^_^
                   (斉藤)

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