不本意


赤十字の血液センターなるところから封書が届きました。
ここしばらく足を運んでいないので、「献血にご協力ください」的な内容と思っていました。

これまで陰の努力として伏せておりましたが、わたしはこれまでに計65回の献血実績があるのです。50回に達したときは小っちゃい杯を記念にもらいました。血を抜かれることに関してはプロの域に達したといっても過言ではありません。


封筒を開けてみると、赤十字の血液事業本部長からでした。お忙しい中、エライ方からわざわざご苦労なことです。
中には4枚も文章が入っていました。要点をざっとかいつまむと、私の血液は白血病ウイルス抗体検査で偽陽性の可能性が高く、血液製剤に適合しないとのことです。

その他にも色々と書かれており、何度か読み直しましたがよく分かりません。私の免疫学に対する免疫がなさすぎるのでしょう。

結論、「今後献血はご遠慮ください」、とのことでした。


――ウム。そちらも事情がおありだろう。このご時世、何があっても不思議はない。だがわたしはリストラにあった気分だ。65回の実績は今回評価されなかった。
・・・無念、仕方ない。血を抜かれるプロとしての肩書は返上せねばならぬ。


今、わたしの頭の中を、献血の思い出が走馬灯のように駆け巡ります。
あんな献血があった、こんな献血もあった、そんなのもあった・・・。

どれもこれも大差ありません。血を抜かれてる間、ベッドで寝ていただけでした。



「献血センターのナース」と、かけまして、

「格安物件を見に行った」と、ときます。

そのこころは、




ケッカンを探します。

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