最近、6歳の子どもが「男の子っぽいこれが好き」「これは女の子っぽいからいやだ」なんて発言する。
いやいや、君の好みと性別は関係がないと思いながら、あまり上手く説明できずにいて、こういうジェンダー系の話が気になっていた時にSNSで見かけて手に取った本。
いつも以上に雑感になってしまいそうだが、記録していく。
「男性らしさ」が男性を生きにくくさせる
この本の問題意識はこうだ。男の子を育てるレズビアンの母親がこれらの質問の答えを出したいと思って、書いた本なのである。
タイトルにもなっている「男らしく」とは、どういう振る舞いなのか。とあるリサーチが炙り出した、7つの「マスキュリニティの柱」は、とても典型的なキーワードが並ぶ。
一見すると、7つの柱は褒め言葉のように思えるかもしれない。それは、もうすでに自分の中に、ステレオタイプ的なマスキュリニティ(男性らしさ)が染み付いてしまっていることを意味する。裏を返すと、7つの柱から外れた特徴を持つ(身体的)男性は、「劣っている」というラベルを貼られるからだ。
では、こういう「男らしさ」で良し悪しを図るのをみんなでやめよう!とすれば、一件落着かというと、そんなシンプルな話ではない。「男性らしさ」がマン•ボックス内の共通項となることで、そこに所属する男性の幸福度を上げているというのだ。しかし、それに伴うリスクを考えると、本当にそれは幸福なのか、甚だ疑問である。
自分の中にもあるアンコンシャスバイアス
本の中では、ジェンダーだけでなく人種差別の話も出てくる。心にぐさっときたのが、養子縁組のための交流会のこのシーン。
人間のグロテスクな面が本人たちは無意識のうちに出ているようなシーン。他人事ではなく感じて、アンコンシャスバイアスというのは本当に難しい問題だと感じた。
アンコンシャスバイアスはこんなシーンでも露呈する。
結局、私たちはバイアスばかりの社会の中で日々暮らしていて、どんなに意識しようとそれらから影響を受けている。まず、それを認める必要があるのだ。
バイアスだらけの世の中で育つ子どもたちにできること
そんなバイアスだらけの世の中で、ロールモデルがいる、ということは、非常に大きな力を持つようだ。
また、暴力的なゲームへの向き合い方について、結局それを制限する表面的な対応は意味をそこまで成さず、こどもとそのことを話題にし、話し合うことが唯一の方法と、本では触れられていた。
その他、オランダの性教育の話など、学びの多い本だった。「なので今日からこうしましょう」というHow toの本ではないが、ジェンダーの歴史を知るのにもいいかも。
この本きっかけに、ちょっと前に読んだ↓の本をもう一度読みだくなったので、また読んだら記録したい。