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三枚のお札…『スリー・ビルボード』
アメリカ中西部。
やることなすこと
うまくいかず置いてけぼりの地方みたいな
色々な問題が渦巻いている町。
娘に車を貸さずに
売り言葉に買い言葉的に、
最後に放った
自分の一言に悔やみ苦しみ続けている母ミルドレッド。
ミルドレッドが
三枚の広告看板を出したことによって
町や警察内部は混乱を起こす。
良くない波紋がどんどん広がっていく様は
悪い連鎖、まるで蛾のバタフライエフェクトのようだった。
三枚のお札は
山姥を引き寄せ
成敗することにつながっていくのか…。
自由の先にある不安。
病めるアメリカの姿を見ることが出来た。
分断による孤独を恐れている。
作品内で「怒りは怒りを来す」と
元夫の恋人19歳の小娘が(お前が言うか…と思ってしまった…)
言うように、怒りは新たな怒りを生む。
牙をむくから牙をむけられる。
けど牙をむけなければ
自分がやられてしまう。
戦争が終わらないのと同じ理由。
問題を
問いかけられて終わったような気がした。
映画を見ているということ
傍観していることに対して考え続けてしまう。
腹の底にあるのはアンガー。
怒りからは怒りしか生まれない連鎖。
アンガーのずっとずっと底に愛が沈んでいる。
署長…案外いい奴だったな…。