Bullet hole wall(弾痕の壁)
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画材
木製パネル、アクリル、スプレー、ステッカー
サイズ
F20号 72.7×60.6(cm)
解説
制作テーマである
「加害の傷/被害の傷」、
コンセプトである
「≒(ニアリーイコール)」「侵略と融和」、
「日本人女性」を割り当てられ生きる自分自身のルーツ、
今なお続くウクライナとロシアの戦争から日々受ける影響、
その全てを画面内に共存し昇華できた1作。
ステッカーや落書きに埋め尽くされた 街の中の壁にインスパイアされてこの作品の制作は始まりました。
街中の壁を再現しつつ、 弾痕が残る戦地の壁のイメージをオーバーラップさせています。
ステッカーや落書きに埋めつくさられた壁 に私は「侵略と融和」を感じます。
ストリートアートで有名なバンクシーは、壁に描くことに関して
「街の壁は お金があっても無くても関係なく誰しもが見ることが出来る。
さらに、そのアートが気に入られれば長く残るし 気に入られなければ消されたり 上書きされたりする。
そうでなくても行政に消されることもある。
最高の民主主義だ。」
というような発言をしています。
落書き行為やステッカーを貼る行為は基本的に犯罪行為ではありますが、
それでも街中に多く見る景色でもあり 月日と共に当たり前のように馴染んでいたりもします。
最初は落書きという「侵略行為」であったものが 壁面と共に汚れ、掠れ劣化し 徐々に一体となって馴染んでいく「融和」に転じる過程を思う時、
私はいつも前述のバンクシーの発言を思い出します。
画面内の虹色のスプレーで描かれた「≒」は コンセプトである「人類の平等」を私なりに解釈し表したものです。
平等を表す時、多くは「=」の記号が使われます。
しかし 「全く同じ」を意味する「=」は平等を表すには少し窮屈に感じてしまいます。
「≒」は「大体同じ」を意味する記号。
人間は誰しもが 違う ことが当たり前です。
私たちは 「違う」ということを共有している「同じ」生き物であって
大体同じ で 大体仲間 であるという意味で私は作品内に「≒」をよく用います。
国籍、性別、容姿、等あらゆる条件によって 人間が不当に差別されることの無い世界。
誰も無闇に傷つけられることの無い世界。
そんなものは恐らく永遠に実現しないでしょう。
だけど それでも 望み続けること、実現を目指し続けている状態こそがきっと人類のベストなのだろうと考えています。
この作品の壁は 、
日々劣化し続け 、侵略と融和を繰返し 、弾痕が日増しに増え 、誰かがその前で命を落とし 誰かがその前で涙を流す、
この世界のどこかにある多くの「壁」を表しています。
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