逆噴射小説大賞第一作目
山の神さま
木の枝を払いのけ先を見通すと細い川が見えた。俺は山道を迷ったのだ。
なんのことはない山すその神社を通り、登山道を道なりに歩き、いつしか道なき道の石がきを登っていた。そしてここがどこかわからなくなった。
だが川があるなら楽勝だ。俺は近づこうとした。そして、足を膝まで飲み込まれた。
なんだこれは!俺の知ってる山じゃないぞ。
川すそには枯葉の積もったぬかるみだらけだ!
そこここで蛙が鳴いている。なるほど奴等にはうってつけの居場所だが。
蛙がいるなら蛇もいるってことだ。ここは危ないな。マムシなんかに出くわしちゃ化血研ものだ。
俺は別ルートを探るべく元へ返しデタラメに進んだ。
いくらか進むと竹やぶが見えた。これはこの山の所有者のものだ。ガキの頃に勝手に筍を掘って怒鳴られたから覚えてる。
小さな急ごしらえの橋があるはずだ。さっきの川の下流が近い。
【続く】
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