サワガニ姫 4
数日間愛らしい妖精姿のサワガニ姫と暮らした。
だが、その日はやってきた。
「ねえ、私、故郷の川の様子を見てきたいわ」
俺は慌てた。
「川に帰っちまうのか?」
「違うわよ、あなたも来るのよ。蟹になって」
!!俺も蟹に!
「私があなたを蟹に変えるから、故郷の蟹たちに挨拶してちょうだい」
え、それって…
「も、もしかして結納??」
「あなたさえよければ」
はにかむサワガニ姫。
人間、俺は人間だ。
だがサワガニ姫が愛おしい。
俺の心は揺らいだ。
続く
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