東輪録~萩をめぐる二日間~

私は半年前(四月半ば)に、
ライズオブローニン という
幕末が舞台のアクションゲームをはじめた。
たった半年……その間に、

  • トロコン&異名集めする(収集要素完遂)

  • 本腰を入れて二次創作をはじめる

  • 幕末大河を漁る

  • ローニン史の年表をつくる

  • 史料ないし資料を読み漁る

  • 人生初イベント参加を決意

  • 萩で史跡めぐりする

と、幕末沼の深みにハマってしまった。
しばらく戦国畑に戻って来れそうにない。
今回は「萩での史跡めぐり」をレポートする。

長州志士の足跡を辿りたい人の
参考になれば幸いだ。


はじめに

一日目は山口出身の友人と
そのご家族に車へ同乗させていただき、
初日で目的地の大半を訪れることが叶った。
この場を借りて、改めて御礼申し上げたい。

このたびの萩入りは
新幹線『新山口駅』から出発となる。

一日目は全旅程が「車両」
二日目は「徒歩」および
「高速バス(スーパーはぎ号)」だ。
今回、循環バスは利用していない
多少言及はするが。

今回訪れた(かった)場所はこちら

萩市内欲張りセット

結論からいうと、全部は行けなかった
この一覧にあるうち、

  • 松陰神社宝物殿至誠館

  • 吉田松陰歴史観

  • 伊藤博文旧宅

  • 木戸孝允旧宅

  • 高杉晋作誕生地

  • 萩 明倫学舎

  • 萩博物館

は、中を見学できる資料館となっており、
特に明倫学舎萩博物館
物量が凄まじく時間が溶ける。
私は明倫学舎だけで2時間溶かした
資料を読み込むなら2時間じゃ済まなかった。

特に移動を循環バスに頼る場合は、
余裕のあるタイムスケジュールを
組むことをお勧め
する。

松陰神社-伊藤博文旧宅

新山口駅から車で約1時間で到着。
敷地が広く、
大きめの駐車場(無料)も完備されている。

松陰神社

おみくじは先生のご教訓入り。100円。

一番奥に本殿と御札・お守りの授与所がある。
授与所にある神社刊行の冊子類は、
ここでしか手に入らないので必見。
『吉田松陰先生の詩文』には
留魂録の原文と解説がある

松下村塾玄関。
門下生が肩をぶつけあいながら出入りしていそう。
「吾即し市に磔せらるとも、此の幅乃ち生色あらん」

伊藤博文旧宅・別邸

旧宅は境内を出て歩いて5分ほどの立地。
道中に『吉田稔麿誕生地』がある。

別邸には伊藤のアルバムがある。
人の家に上がり込んだ感がすごい。
四方が開放されて明るく、風通しがいい。
冬はきっと寒い。

我々はこの後、
『入江九一・野村靖誕生地』
『野山獄跡』 ⇒『萩博物館』と移動する。

野山獄跡-萩博物館-久坂玄瑞誕生地

入江野村久坂の誕生地と野山獄跡

先に注意点を。
『入江九一・野村靖誕生地』『野山獄跡』
そして『久坂玄瑞誕生地』は
付近に駐車場がない
道幅も狭く民家の傍に石碑が立っているような場所が多いので、すみやかに拝観しよう。

循環バスは
『野山獄跡入口』『久坂玄瑞誕生地前』
が最寄の停留所となる。
それぞれ西回り・東回りと経路が違うので、
各々確認してほしい。

野山獄跡。向かいには金子重之助(松陰と共に密航した)が獄死した岩倉獄跡がある。
三条実美が亡き玄瑞にあてた句
九重の みはしのちりを はらはむと こゝろも身をも うちくたきたる

萩博物館

『萩博物館』の駐車場は有料となっている(17時まで)。
2024年10月3日から同年12月8日まで
企画展「幕末維新のときを開催中だ。
明倫学舎にて長州藩士になりきって撮影できる合同企画もある。

戊辰戦争の顛末を描いたもの。徳川家に配慮して戦国期の「石山本願寺合戦」として制作した。
双璧の銅像の原型。晋作は塾生だったころのイメージ。かっこいい。
高杉晋作資料室は撮影禁止

高杉晋作資料室内での個人的メモ

  • 玄瑞は各地で攘夷派思想のものを友誼を交わしたが、その遊学費用は義兄(松陰の兄・梅太郎)に無心していた。「遊学はお金がかかる」といっていたそうだ。

  • 間部詮勝暗殺を企てた松陰を玄瑞と晋作が咎め、松陰に絶交されてしまう。師に縁を切られて不安に思ったのか、ライバル視していた玄瑞を褒めちぎって「兄弟の盟を結びたかった」とまでいったそう。

  • 四境戦争・小倉口の戦いでは龍馬が「やじうま」と称して参戦。軍艦を連れた野次馬怖い。

  • 松陰を歌う晋作「かくすれば かくなるものと しりながら やむにやまれぬ 大和魂」これに返歌する龍馬「かくすれば かくなるものと 我も知る なおやむべきか大和魂」おセンチ気味な晋作を励ましたのかな、と勝手な解釈をする。

売店。全部買ったら長州が丸わかり。

城下町(木戸高杉旧宅‐円政寺ほか)

博物館から徒歩10分程度で城下町エリアに辿り着く。
カフェや商店があり、時間があれば休憩にぴったりだ。
拝観は9時から17時までとなっている。

円政寺でいただいた城下町絵図。夏みかんに刀が刺さっている…。

高杉晋作誕生地

家の中には入れないが、
産湯の井戸や晋作の持ち物が見学できる。

お庭がご立派!
当時のお菓子って何を入れたのだろう。
戦国期なら炒り豆だな。
室内。屏風に近寄ってよく見たい…!
弓と薙刀も気になる。

木戸孝允旧宅

戸袋の絵は当時のまま遺る。流れた時を感じる…。
この話題を木戸さん宅で見るとは。
「孝允公の気持ちになってくつろいでね!」

円政寺

伊藤博文と高杉晋作が幼少期にお世話になったお寺。
注意点として「(木戸邸に隣り合う)正門からしか入れない
参拝所に祀られているのは金毘羅さんなので、神式でお参りする。

神馬は雄ですよ。(カクニンシテ)」雄だった。

萩マルマレット

「晦事(ことこと)」自家製の夏みかんマーマレード。
マーマレードは福沢諭吉が日本で初めて生産したそう。

レトロなラベルがかわいい。
ごろっとした具材が他にない。
甘酸っぱく、ほろ苦い。

1日目終了

友人家族に別れを告げて宿にチェックイン。
この時点で17時を過ぎていた。
明倫学舎は2日目にみることに。

萩焼の宿 千春楽

今回泊まるのは萩城にほど近い
『千春楽』というお宿。
萩焼体験パック』プランを利用した。

ロビーや部屋からは菊が浜が一望できる。
夕食は会席料理。毛利家の家紋が!

どうして蓋を付けたまま写真を撮ったんだ
刺身盛り合わせ、エビと里芋の煮しめ、
イサキの西京焼き、アワビの踊り焼き、
などなど海鮮中心。

柿の葉に包まれたイカめしは、
空きっ腹に酒を飲んで
胃がびっくりしないようにという配慮だそう。
つまり、酒を飲めってことです

飲みました。甘口だがさらさら飲める。
香りもいい。

2日目

萩焼体験ができる窯元へは徒歩10分ほど。
朝食後チェックアウトして向かう。
体験時間は予めこちらから指定できる。

萩焼窯元 城山

手捻りの体験料はプランに含まれるが、
+1800円でろくろに変えてもらえる。
他に人がいなかったためなのか、
職人さんが手解きしてくださった。

ろくろ。薄く軽くできる。
手捻り。こねたり成形したりを楽しむ。

皿の裏には好きな文字を入れられる
私は「至誠」と入れてもらうことにした。
届くのは、2か月後。

萩城跡

櫓などは現存しないが、
13代藩主毛利敬親(高杉らの主君)が造らせた『花江亭茶室』が残っている。

南門側の写真。天守台は入ってすぐ左手。
図を見ると本丸が2か所ある…どゆこと?
敬親が家臣らと談合していた茶室。
城勤めしていた頃の晋作も入ったことあるのかな?

明倫学舎

萩城からは徒歩30分ほど。まあまあ歩く。
城下町をもう一度見るのも兼ねて、
夏みかんが実っているのを眺めながら歩いた。

南門

藩校・明倫館の遺構、南門

明倫学舎も駐車場は有料だ。
萩博物館とあわせて利用すると
2か所目以降は無料らしい。

学舎は1~4号館まである。
1号館はお土産屋とレストラン、カフェ。
2号館は有料で、幕末の雑貨や
長州ファイブについて学ぶことができる。
長州ファイブについて、
ちょっと詳しくなれた(撮影禁止区域)

先生が選ぶ志士みくじ。
私は稔麿、母は玄瑞。生き残れないねえ。
明倫館模型。
右奥にある兵学の教室で松陰が教鞭を執った。

幕末ミュージアムの展示品

天文、医学など幕末の資料。
創作に活かせそう(使うとはいってない)
火打石のライター。
もぐさに点火して煙草に火をつける。
獅子頭。ローニンでも大将格が身に着けている。

他にも銃や大砲、
陣羽織に時計や街灯などいろいろあった。
ぜひ、自分の目で確かめてくれ!

おつかれさまでした

明倫学舎のバス乗り場から
『スーパーはぎ号』に乗車、『新山口駅』へ。
『スーパーはぎ号』は交通系ICカード可
キャンペーンで片道1600円だった。
(令和7年3月31日まで)

さいごに

松陰神社と城下町が離れているものの、
循環バスもあり、人手もあるので
史跡観光する土地としては大変見やすい印象。
ただ、訪れる際は時間に余裕を持って欲しい。
ほんとうに

余談だが、タイトルの「東輪録」は
高杉晋作の『東帆録』を
オマージュさせていただいた。
なにかしら、面白い名前にしたくて……。

ここまでご覧いただき、
ありがとうございました!

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