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自衛隊に入隊した理由
高3の夏休み直前、親父様から一言
「大学、無理やわ」
と、青天の霹靂。
心理学を学びたくて、当時では珍しかった心理学科のある大学を目指し、一応、進学校にいたのですが…。
複雑な家庭環境であったので、まぁ仕方がない。
大学は逃げないし、ひとまず働いて貯金してからでも遅くないと考えました。
警察官である父親が
「警察官採用試験を受けてみぃ」
と言うので、渋々受けてみたけど、試験内容が難解すぎてお手上げ。
試験中、熟睡させていただきました。
申し訳ありません。
そもそも私は身体能力が高くないので、身体を張る仕事はできないし、人様の命を守るような責任重大な仕事が務まるのか不安しかありませんでしたから、警察官を目指さなくて良かったと安堵しました。
どういう経緯であったか記憶にございませんが、今度は、超有名な大手出版会社の採用試験を受けることになりました。
「どうせ受からんやろ」と思っていたのに、書類選考にパスしてしまったので、東京にある本社まで、熊野から1人で向かうことに…。
ポケベルしか普及していなかった時代、はじめての東京駅は外国に近く、駅員さんや売店のおばちゃんに道を聞いても駅から脱出できず、30分ほど彷徨いました。
「あかん、東京砂漠で生きていけやんわ」
信号がない町で育った私に、東京は刺激が強すぎました。
ちなみに今でも地元の町内には信号はありません。
(これは自慢です)
さらに、超有名大手出版会社の採用試験を受けに来ていた高校生が、予想を遥かに超えて大勢で
「こんなん絶対に受からんし、そもそも大都会でやってけんわ」
と、自分に言い聞かせながら帰路につきました。
そんなある日のこと、バンドマンの友人が
「自衛隊の採用試験を受けるわ!」と宣言しました。
(*・ω・)
「え?自衛隊って…ほふく前進とかするやつ?わたし絶対無理やわぁ〜」
( ・ㅂ・)و ̑̑
「自衛隊ゆうてもなぁ、事務とか輸送とか色々あるんやで。俺は整備士になりたいから整備隊を希望するわ」
(*・ω・)
「そうなんや〜。事務もあるんやなぁ」
( ・ㅂ・)و ̑̑
「しかも満期金が○○○万円!満期金と貯金で大学行けるんちゃう?」
(*・ω・)
「満期金⁉︎何やその制度!試験はどんなんなん?」
( ・ㅂ・)و ̑̑
「中学卒業レベルやで、見てみ」
(*・ω・)
「わぁ…。警察官の採用試験問題に比べたら簡単すぎる…」
( ・ㅂ・)و ̑̑
「一緒に受けよらよ。ほんで夢叶えよら」
(*・ω・)
「今まで運動を避けてきたけど、体育の成績2やけど、たまには身体の限界に挑戦してみるのもえぇかもね〜。よっしゃ!受けるわ!」
そんなこんなで、100人に1人合格すれば良い方と言われた自衛隊採用試験に友人と一緒に挑みまして、18歳の春、晴れて航空自衛隊に入隊したのでした。
水泳は得意なのに、陸に上がると超ドンくさい私でしたが、なんとか3ヶ月の教育訓練を終えまして、いよいよ希望の職種を上申する日がやってまいりました。
『氣象予報士、管理栄養士、調理師』
はい、内勤ばっかり(笑)
自然と宇宙が好きで、栄養学も好きで、日本でハーブが流行る前からハーブティーをブレンドしていたぐらい健康オタクでしたので、このような希望内容となりました。
さすがに氣象予報士は募集枠がなさそうなので、ご飯をつくる係になれたらいいなぁと漠然と考えていました。
あとは適性検査や日頃の行いで職種が決まります。
わたしはドンくさいから、現場ってことはないやろな。せめて事務、なんでもえぇから内勤がいい!
駄菓子菓子!
上官「東2士!」
(*・ω・)「はいっ!」
上官「高射操作員に任命する!」
(*・ω・)…?「了解!」
上官「東2士と○○2士は、日本で初の女子隊員高射操作員となる!健闘を祈る!」
(*・ω・)… (*・ω・)… 日本初??
前述しましたが、私の身体能力は高くなく、そもそも自衛隊自体に全く興味がございませんでした。
希望とはかけ離れた職種でありますが、日頃の行いが悪かったんでしょうか?
そもそも高射操作って、何ですのん?
同期たちの情報によると、その年は高射操作員になりたくて入隊した女子が多かったそうで、希望していた女子たちは採用されず項垂れておりました。
そんなん希望してる人らにやらしたったらえぇのに、なんで私なんっすか!
佑天さん18歳、坊主頭。
日本初の女子隊員パトリオットミサイルオペレーターとなってしまい、こともあろうか最も過酷な部隊に赴任することになるのでした。
わたくし、ご飯係になりたかったんですが…。
ただただ平和にすごしたかったんですが…。
ちなみに、超有名大手出版会社の2次試験もパスしました。面接も行きました。
あの時、超有名大手出版会社に入社してたら、キャリアウーマンになっていただろうか?
いや、都会の生活に疲れて1年で田舎に帰ってたな。うん。
ちなみに友人は希望通り、整備隊に入りました。
上官曰く、高射操作員に関しては各自の希望ではなく適性検査の結果を重視したそうです。
適正、あったんですかねぇ…。
全く興味のない仕事に就いたわけですが、自衛隊で学び得たことは大きかったですよ。
未知の世界で生きる人々の主義思想、そこに身をおいてこそ解ること。
自分が知っていることなんて、ほんとうに微々たるもので、一生涯学び続けても偉人たちの叡智には程遠い。
人も何事も表面だけで判断してはいけない。
日々是学びでありますね!
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という話を、去年、Instagramに投稿したら好評やったんで、入隊直後の話を幾つか綴りました。
パトリオットミサイル部隊の時の話も詳しく知りたい!という方々が予想外に多かったので、ぼちぼちnoteに綴っていこうと思います!