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「Iris」BUMP OF CHICKEN(ただの感想)
2019年リリースのaurora arcはすごくきらきらしてて、炭酸水みたいに弾ける感じ。世界に対する信頼や愛情の香りがして、寂しいときや切ないときでも、「私は大丈夫」と、心のどこかでは思っているみたいだった。
アカシアまではそうだったけど、コロナ後からは脈拍が変わって、少し肌寒くなった気がする。自分に優しくしようとしている様子だった。ときどき息切れをしたり、夢のなかの郷愁へ迷い込んだりしながら、自分の中の祈りや響きを目の当たりにした虹彩のような。
そんなこんなで自分を労り、ねぎらっているうちに、洞窟を探検するみたいに前向きに求めるようになって、なんかそれも楽しくて、前とは確かに違うけれど、これが最高と思えてくる。
アカシアが最後の曲なのは、なんか切ないけど、私としてはその頃が愛おしくも、戻ろうとは思わないかもしれないな。
だからきっと動揺もたくさんしたんだけど、新しい面白いものを見つけることができたんだなと思った。
Sleep Walking Orchestra
「赤い血が巡るその全てで見えない糸が解ける場所へ」ここのメロディ好きだなあ。
泥臭くて、良い曲。
なないろ
きらきらしていて青春みたい。
Gravity
ギターが2つと、金物のキキキキ、チチチチという音がなんだか切ない。ササササ、という音も。「君の影の 君らしい揺れ方を 眺めているだけで 泣きそうになったよ」かあ。影なんて、小学生の頃以来すっかり見てないかも。
終盤、ららら、ららら、らららと歌って「雨でも晴れでも 空のない世界でも また明日 明日がちゃんときますように」って入っていくのがよかった。力強い感じがして。
SOUVENIR
「歩いて歩いて 時々なんか急いで あなたに向かう道を」ここのメロディが好きだなあ。サビも好き。あと、藤くんのイェー↓イェー↑イェー→イェー↑ってコーラス。この音符の選び方、、なんだか反則的。この表現が相応しいかわからないけど、洞窟の中の残響音みたいだな。右で鳴ってるキーボードもダンジョンみたいなスケール(?)だし、、ゲームっぽい。
それが良さだね。最高。
Small world
冬っぽくて、しっとりしてる。一昨年くらいにイルミネーションを見たことを思い出すなあ。すごく寒かったけど、楽しかったな。リフトに乗って上から見たのは、確かに関係がなかったけど、私の小さな世界だった気がするよ。
クロノスタシス
日常と、空に昇っていくような切なさだ。
Flare
「また目を覚ます 孤独の騒めき」そんな日もあるよなあ。そして泣くまいと思っても泣いちゃったんだな。ギターのサウンドとマラカス的に、部屋の中の小さな世界をそっと抱きしめている感じ。サビでは、一気に外側の広いところへ思いを馳せて、ベースの音で今ここに、はっと目を覚ます。
邂逅
合間合間のギターソロがかっこいい。夜明けへ向かうための音だろうか。墜落したような転調は、目眩を起こさせる感じがする。
青の朔日
なんか戦っている感じがする。「時計の針にも奪えない力」の反撃と高揚感。
strawberry
クリスマスって感じがする。だからタイトル「strawberry」なのかなあ。赤と緑で。
(インタビューでは「解説できる意味っていうのもまったくない」と仰っております)
参考:https://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken22/page/2
木材の軋む音がなんだか優しい。コードが私の一年を労りながら、あっけらかんと笑うように、抱きしめ、お祝いをしてくれる。それとも抱きしめてくれているのは、私自身の今日までの日々そのものかもしれないな。
窓の中から
かっこいい曲だなと思った。「生み出してしまった希望を」「頷いてくれた絶望を」というのは私は体験したことがないのに共感した。
木漏れ日と一緒に
夢を見ているような感じ。たおやかに織り交ぜられたコーラスが、毛布みたいにわたしを包んでくれるのに、同時に木漏れ日の風のなかで光をみている気持ちになる。
わたしも春になると、たまに、風に吹かれるような眠りに誘われることがあるなあ。
アカシア
純粋な曲だと思った。「僕の見た君を君に伝えたい」、「君がいることを君に伝えたい」、そうだよな。伝えたいよな。本当に、大好きなんだなと思うし、切実なんだと思う。
サウンドは、愛を失う悲しみを知っている気がする。衝動的でありながらも、きらきらとした思いやりに溢れているのは、きっと、そのせいじゃないかな。