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君が照らされていて、君が照らしている

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少年マーニは、自転車のカゴに月を乗せて、いつも東の空から、西の空へと走っていきます。ある日、痩せ細った月が言うのです。

「ねえ、マーニ。太陽を取って。
 一緒にお空にいると、とっても眩しくって」

「ダメだよ。太陽を取ったら困っちゃうよ」

「どうして?」

「だって太陽を取ったら君が、いなくなっちゃうから。
 そしたら夜に道を歩く人が、迷っちゃうじゃないか。
 大切なのは、『君が照らされていて、君が照らしている』ということなんだよ。」

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アマゾンプライムで『しあわせのパン』という映画を観ています。
まだ半分も観ていない、途中。
このおはなしは、映画の冒頭で出てくる絵本の内容なんだけど、とってもいいことばだなと思って。

とりあえず書き留めておきたくなった。


夫が月なら、わたしはマーニになりたい🌛🚲

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この映画を見始めてすぐに、何年か前、数年住んでいた長野県のことを想った。
軽井沢の隣町、御代田町。

坂の多い山に囲まれた町で、車なしではどこにも行けないような場所。

でも、空気がきれいで、
屋内が木でできた静かで大きな図書館があって、
新鮮な野菜や長野のいいとこ取りを集めたみたいなスーパーがあって、
優しいりょうこさんのいるあたたかいカフェがある町。


あそこにいた時は、わたしは誰とも
自分を比べていなかった。
毎日のように好きなカンパーニュを焼いてみたり、
図書館で好きなだけ本を読み漁ったりしてた。

空気感がゆっくりで合っていたんだろうな。

何もないようで、わたしはあそこに住んでいたときが、
一番自分に合う好きなことやものに囲まれいて、
向かうべき方向に向かっていけていたのかもしれない。

あの時に戻りたいとは思っているわけではないのだけれど。
あの時のように暮らしたいと思う。

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