「観光商品」として販売するためには...
こういった日本の大切な地域の魅力を世界に向けて発信し、観光商品として販売するためには、その魅力の「本物さ」や「変わらなさ」を理解し(古田 菜穂子、2020、3)
観光とは、「余暇活動における旅行」のこと
というのは
消費者目線での定義である。
提供者側にたった瞬間、「観光」はおそろしく複雑なものとなる。
経済、経営、心理、マーケティング、社会学、文学、人類学、モビリティ、歴史学、地理学、哲学、倫理学、ジェンダー、
「観光」が扱う範囲はあまりもの膨大である。正直これ以上は、あるにはあるのだけれども私はその全容を掴み切れていない。
商品
当然、観光は経済的な動きとしても捉えることもできる。
いや、オギルヴィエやグリュックスマンの定義から見れば、そうした動きは最初から内包されていたといってよい。
現代は、あらゆるもの、出来事、概念が「商品化」されている。教育までもが商品となっている現代だ、観光地もその例外ではもちろんない。
ここでよく持ち出されるものが
真正性(Authenticity)というものだ。
観光客の目に映る、地域・国・民族特有の「文化」が、おあつらえ向きのものではないのかという疑問から始まる。
つまり
観光という現象において、文化は生産され、操作され、消費されてしまうという、「商品化」の負の側面ともいうべき特徴があるということだ。
(まあ実際、「和食」というのも、ここ百何年くらいの産物であって、千年以上前から存在したものでもないのだが。)
だからといって、そういった懸念ばかりに集中すると、観光は利潤獲得の手段としては上手く機能しなくなる可能性がある。
故に近年では
サステナブルツーリズム、という観光地の保全を目指した動きが目立っている。
※「保全」とは、保存しつつ、活かすということ。保護や保存と同義ではない。
なんとまぁ。
ありふれていて、無味乾燥な帰納をしてしまった。
さて。
あなたがもし「観光」をするときには考えてみるといい。
あなたがいる観光地の文化や歴史、建物。
眼前のそれらは「本物」か・・・?
それとも贋作(fake)に過ぎぬのか。
と
今日も大学生はぼーっとしている。
古田 菜穂子、2020、「なぜ志摩半島の老舗ホテルにはインバウンドの観光客が少ないのか」、https://forbesjapan.com/articles/detail/32181/3/1/1、2020年2月9日