"for sibyl"が好きだ
for sibyl(フォーシビル)という札幌のバンドが、大好きだ。
知り合いだからとか、そんな理由だけで好きなんじゃない。そんなのバンドに失礼だし、 そんな理由でバンドを好きになりたくない。私も、そんなバンドにはなりたくない。今はそうかもしれないけど、ほんとはそうじゃなくて、誰かの人生に必ずいなければいけないような……とまでは言わないけど、誰かの人生の少なからず一部になれたらなと思う。そんなバンドにいつかなりたい。
for sibylは、私にとってそういうバンドだ。
for sibylがいるから、前を向けている。
札幌のバンドの界隈に入っていってはいけない、存在してはいけないかのように感じていたときがあった。今も時々そう感じてしまう。私が周りの同年代のベーシストの技術力と知識量にただただ圧倒されていたとき。ちょうど同時期、自分のバンドが上手くいかなくなっていった。
そんな時、ノドカさんが話を聞いてくれた。
風が冷たい創成川だった。寒かっただろうに、憧れの人がついてきてくれて、話を聞いてくれて、嬉しかった。
誰にも言えないようなことを次々に話した。
恥ずかしくてお酒の勢いに任せてだったけど、沢山聞いてくれて、沢山共感してくれて、沢山アドバイスをくれて、沢山バンドを教えてくれて、沢山音楽を教えてくれた。
andymori、でぶコーネリアスEX、bloodthirsty butchers、糞八
彼女から教わった音楽は、間違いなく今の私にとって宝物になった。
彼女がこれをどんな気持ちで聴いていて、どうして私に勧めようと思ってくれたのか、それぞれの歌詞を見ながらたくさん考えた後の心地よい疲労。そうやって、読み解くのが好きになった。
実際のところ、for sibylは「音楽」をどう捉えているのか、私には「for sibylの音楽を聴くこと」しか知る術がないけれど、
for sibylは、バンドをやって生きているのではなく、生きるためにバンドをやっているバンドだと思う。生きる一部にバンドがある人たち、って言ってもいいかもしれない。生とバンドがセットになっている。そのくらいの魂を感じる。
純粋なのに複雑で、現実という地獄に必死に齧り付いて、小さな幸せでもかき集めて、いつでも懸命に生きているような、ひたすらに真っ直ぐで、何にも嘘をつかないような歌詞を
私もいつか書きたいな。
良い日でした。ありがとうございました!