回顧02

卒業式の思い出、僕は結構、あったりする。なんだか眠るのが難しい今晩、問われたわけでもない自分語りをして、睡眠の到来を待つことにする。まずは中学校…

中学生のころ、絶賛不登校中であった僕だけど、いっちょ前に付き合っている彼女がいた。卒業式当日、僕は久しぶりに大勢の前に立たされて、卒業証書を受け取った。一瞬で具合が悪くなった。早く帰りたくて仕方がない。世界がぐにゃぐにゃになって、もう駄目だと思った。
全てが終わりフラフラになっていると「一緒に写真撮ろ」彼女が僕に言った。片手にはカメラを携えていた。そのカメラを彼女は彼女の友人Aに手渡し、僕の横に来て、ぱしゃり、一枚写真を撮った。インスタントカメラ、古き良き時代。僕はいよいよもって具合が悪く、そのときなぜだか彼女に対して大変申し訳ない気持ちになってしまった。そのときの気持ちの「しこり」みたいなものは、結局ずっと引きずったままで、長く付き合った彼女だったのだけど、ほどなくしてなんだか別れてしまった。彼女は商業高校に進み、カメラマンになることが夢だったが、その後キャバ嬢として働くこととなる。最後に連絡をとったのは5年位前だから、今は何をやっているのかわからない。

高校の卒業式で覚えていることは、紙ヒコーキだ。「19」というバンドの『あの紙ヒコーキ くもり空わって』という曲があるが、その中の歌詞に「夢を書いたテストの裏~紙ヒコーキ作って明日に投げるよ~♪」という一節がある。これを実行したのだ。なかなかにファンキーな試みだ。ま、そういう学校だったから、僕は何とか卒業することができたのだが。実際のテストで紙ヒコーキを作って、それをポケットに忍ばせて、式が終わったあと、一斉に飛ばしたのだ。バカ、という批判は甘んじて受けよう。しかし紋切り型の金太郎飴みたいな式典よりも、よほど深く心に残っている。ああ、でも一つ思い出せない、いったい僕はどんな「夢」を書いたんだっけな。

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