日記21
たまに全てから逃げ出したくなるから、逃げ出すことにしている。具体的に言えば、特に予定も決めず、1泊2日の小旅行に出る。この文章は茨城県の古河で書いている。
コロナに狂ってた人が大挙していたころ、某中学校で、生徒を体育館に集めて、プロジェクターで修学旅行で行くはずだった場所を、グーグルマップを用いて視聴する、という罰ゲーム以外の何物でもない狂い切った行事が行われていたらしい。体育館に集められた罪なき中学生たちは、妙に感覚の開いた椅子に、マスクを着用した上、お行儀よく座らされていた。
以下僕の妄想。この行事もおそらく、正義感あふれる教員の「一生に一度の修学旅行を中止のままに終わらせたくない!なんとか彼らに修学旅行の思い出を、どんな形でもいいから作ってもらいたい!」という熱い想いから生まれた行事なのだと思う。見事なまでに「旅」の急所を外した、抱腹絶倒級の行事だけども。
旅行の醍醐味、というか効能は、「物理的な距離」が重要なのではないか。だから家にいて、世界で起きていることなんか見ていても、ちっとも解放されない。息をのむほどの景観、世界の絶景の画像をいくら見たとしても、心は晴れっこない。
物理的な距離が、日常から離れれば離れるほど、安心するのだ。ここまでは追って来れまい。そんなことが本当なんだと了解される瞬間、僕は解き放たれる感じがする。
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