スクラムにおける開発者とスクラムマスターの兼任についてまとめておく
こんにちは。エンジニア兼スクラムマスターの mizo（@_uya116）です！
1月10-12日で開催された RSGT2024 で「スクラムにおける開発者とスクラムマスターの兼任について」議論する機会があったのでその結果をまとめておきます。
ちなみに、なぜこのテーマについて話そうと思ったかというと、開発者とスクラムマスターの兼任は様々な場所で非推奨とされてはいるものの、実際にやっている立場からするとデメリットだけではなくメリットもあるような気がしていたからです。
議論内容まとめ
議論内容を以下にまとめます。
開発者とスクラムマスターを兼任する理由
まず、そもそもなぜ開発者とスクラムマスターを兼任しているのかという部分を整理すると、組織的な理由と個人的な理由があることに気が付きました。
組織的な理由としては以下がありました。
専任スクラムマスターをアサインする必要性を上層部に理解されておらずリソースを割り当てることができない
そして、個人的な理由としては以下がありました。
やっぱりコードを書くのが好き
キャリアを考えたときに、一度専任スクラムマスターになると特に技術面でおいていかれ開発者に戻るのが難しいのではないかという不安
ちなみに私は個人的な理由が大きくて兼任しているんだなとこの議論で再認識できました。というか専任になることを考えないようにしていたのかも。
開発者とスクラムマスターの兼任によって起こること
上記を踏まえて、今回のテーマである開発者とスクラムマスターの兼任について整理します。
第一の結論として、開発者とスクラムマスターの兼任は以下の理由からプロダクトの立ち上げ時は効果的な場合もありそうです。
専任スクラムマスターをアサインする必要性が理解されていない組織においては開発者が兼任スクラムマスターを担うことでスクラム開発を始めやすい（関係者にスクラムの効果を理解してもらうために、理解される前からスクラムを始めてみる場合がある）
副次的な効果として、一緒にコードを書いているメンバーがスクラムマスターをやるのでチームからの信頼が得られやすい（ただし開発者としての信頼は得られるが本当に必要な信頼はそれで良いのか？という意見もありました）
また、技術面に着目すると以下のようなメリットが挙げられました。
実際にコードに触れているのでプロダクトの技術面を理解することが容易になる
しかしながら、第二の結論としては、やはりよく語られているようにスクラムにおいて開発者とスクラムマスターの兼任はメリットより多くのデメリットが存在するので非推奨ということです。
ちなみに今回の議論では開発者とスクラムマスターの兼任におけるデメリットに関して以下のような意見がでました。
開発者とスクラムマスターで役割・期待されていることが全然違う
兼任するとどうしても開発者に寄りがち（気がついたらずっと開発している）
そのため、組織的な理由で開発者とスクラムマスターを兼任している場合は、関係者のスクラム理解を進めつつ専任スクラムマスターを目指すのが良さそうです。
また、兼任しているときはどちらの役割も中途半端になってしまいがちなので、あらかじめチームや組織に、開発者としてどこの範囲までやって、スクラムマスターとしてどこの範囲までをやるのかという自分のスタンスを示しておくことが重要という意見もでました。
専任スクラムマスターになったとしても技術をわからないといけない
最後に、技術がわからなくなるのが不安という理由で兼任している場合、その気持ちにどのように折り合いをつけるのかについて考えてみました。一つ挙げられたのは、専任スクラムマスターであったとしても技術がわからなくて良いということではないということです。
専任スクラムマスターであっても技術を知っていくことは重要で、それを意識してレビューを回してもらうことや、モブプロに入るなどの行動をしていれば開発者を辞めたとしても技術がわからなくなるという不安は軽減されるのではないかという考えに至りました。
それでも気になる場合は、スプリントごとにチーム内でスクラムマスターの役割をローテーションすると良いという意見もあり、確かに良さそうと感じました。
最後に
20分+お昼の雑談でこれだけ思考を整理することができたので思い切ってテーマを出して良かったなと思いました。参加してくださった方々、場を提供してくださった RSGT2024 運営の方々、ありがとうございました！
RSGT2024 全体のまとめも忘れないうちに書きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？