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スクラムの役割が相互補完的な関係になっているのでまとめておく

こんにちは。エンジニア兼スクラムマスターの@_uya116です!スクラムにおけるプロダクトオーナー(PO)、スクラムマスター(SM)、開発者(Dev)の3つの役割が相互補完的な関係になっていることに気がついたのでまとめておきます。

各役割の目的

まずはスクラムの各役割が持つ目的について整理しておきます。スクラムの各役割はそれぞれが特定の目的を持っています。

  1. プロダクトオーナー (PO): プロダクトの価値を高めることが主な目的です。これには、プロダクトバックログの優先順位付けやステークホルダーとの連携が含まれます。POは、プロダクトが市場やユーザーのニーズに応えるよう努めます。

  2. スクラムマスター (SM): スクラムプロセスをうまく回すことが主な目的です。これには、チームの障壁を取り除き、スクラムの原則と実践の適用をサポートすることが含まれます。SMは、チームの健康とモチベーションを保つことも重要な役割です。

  3. 開発者 (Dev): プロダクトの技術面(品質、機能性、パフォーマンスなど)に責任を持ちます。開発者は、技術的な実現可能性と品質の維持に重点を置きます。

これらの役割は、スクラムチームが効果的に機能し、価値のあるプロダクトを迅速に提供するために重要です。しかし、これらの目的は時に相反することがあります。例えば、POがプロダクトの価値を高めるために多くのタスクをスプリントに組み込むと、Devは品質確保のためのテストケースを削減したり、タスクにかける時間を減らしたりする必要が出てくることがあります。また、SMがチームの健康やモチベーションを保つことを目指す場合、これがPOの目的と衝突することもあります。

各役割の相互補完性について

前述したようにスクラムにおいて、プロダクトオーナー (PO)、スクラムマスター (SM)、開発者 (Dev) の間には、それぞれの目的に基づいた相互補完的な関係が存在します。以下に、各役割が進めたい事項と、それに対する他の役割の抑止パターンを示します。

  1. POが進めたいが、SMとDevが抑止する事項:

    • 機能追加やスコープの拡大: POはプロダクトの市場価値を最大化するために新しい機能やアイデアを取り入れたいと考えます。しかし、開発者はスプリントゴールの達成と品質維持に集中しており、SMはスプリントの範囲と目標の達成可能性を保つためにスコープの拡大を抑制します。

    • 非現実的な納期の設定: POはビジネス要求や市場期待に応えるために時に非現実的な納期を設定することがありますが、開発者は実現可能なスケジュールでの高品質な製品提供に注力し、SMは持続可能なペースと現実的な目標設定を支援します。

  2. SMが進めたいが、POとDevが抑止する事項:

    • チームビルディングと教育: SMはチームの協力やコミュニケーションを強化し、新しいスクラムの実践方法を教育することを目指します。しかし、POは短期的なビジネス価値の実現を優先し、開発者は既存のタスク完了や効率的な作業を重視するため、これらの提案を一時的に抑止することがあります。新しいツールや方法の導入に伴う学習コストや生産性への影響が、特に懸念されます。

    • チームの健康とモチベーション: SMはチームの健康とモチベーションを保つためのアクションを提案しますが、開発者はスプリント目標達成や納期を意識し、POはビジネス目標の達成を優先します。

  3. Devが進めたいが、POとSMが抑止する事項:

    • 実験的な技術や新しいツールの導入: 開発者は新しい技術やツールの導入に興味がありますが、POは短期的なプロダクト成果への影響を考慮し、SMはスプリント目標達成への影響を懸念します。

    • 過度な技術的完璧主義: 開発者は時に完璧な設計や実装にこだわりますが、POは迅速な機能リリースを望み、SMはスプリント目標達成への影響を考慮します。

これらのシナリオは、スクラムチーム内での相互のバランスを保つためのものであり、一方が他方を圧倒することなく、共同でプロダクトの成功を目指すためのものです。各役割が持つ視点や目的が異なるため、これらの相互作用や議論は、チーム全体の成熟度や効果的な動きを生むための重要な要素となります。双方の視点を尊重し、オープンなコミュニケーションを通じて共通の理解を築くことが重要そうです。

追記

以前に認定 PO 研修を受講した際に以下の映像を紹介してもらいました。
PO、SM、Devはそれぞれ「正しいものを作る」、「早く作る」、「正しく作る」という目的を持っており、そのバランスを取るのが大事という内容です。

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