一歩先で海になれる
晴れより雨の方が珍しいからか
今日はやけに外を見ている
16時55分の時針と分針を指す桜雨
久しぶりの水分に喜ぶ草木
葉の落ちた木々からは表情がないように見える
雲は白いという固定概念
今日はやたら黒く見える
前者より層が厚いから太陽の光が届きにくいという理屈
太陽があるから雲が白くなる
雲がないとまぶしすぎる
この世はちょうど良い
15時50分の時針と分針へと変わった
風に煽られる雨粒は思ったより前進して海水となった
背中を押される感覚なのだろうか
追い風がポジティブなのは人間らしさか
数秒目を閉じて開けてみる
次第に視力が戻ってくるあの感じは
雨だからか少し物足りない気がする
でもそれがきっとちょうど良い