ASOに効く、App Storeのレビューから3.0以下が消える3つのテクニックと、たった1つの大前提。
自分が運営に関わっているZOWAというiOSアプリがあるのですが、数ヶ月前にあることをして直近まで3,4ヶ月間ほど、3以下のレビューがありませんでした。
残念ながら先日結構初歩的なバグを出してしまい、その記録は途絶えてしまったのですが、まあ数ヶ月続いただけでもなかなか頑張った話だったなと思います。
頑張った記念&次はもっと長く継続できるよう、やったこと等をシェアできればと思います。
レビューを高めるコツ
たった1つの大前提
高いレビュースコアを手に入れるための大前提は、たった1つ。それは、良いプロダクトであることです。
以上、話は終わりです。
・・・。
まあ、皆さんそんなことは分かっているかと思います。
ただ、このエントリーを読めばどんなアプリでも高スコアを取れるわけじゃないよということ、プライド持ってプロダクト作っていきましょうということを言いたかったんです。
もちろん「良いプロダクト」には、コンセプトが良いとか、問題解決策としてセクシーだとか、アプリの細かいところまでクオリティが高いとか、色々なことを含みます。しかし中には、ユーザーを騙して[書いていたらすごく長くなってしまったので、尺の都合でカット]
──恐らく、この記事にたどり着いた9割の人は、そんな当たり前のことを知りたいわけではないと思います。
みんなが知りたい、悪いレビューを減らし、良いレビューを増やすテクニックを紹介します。
3つのテクニック
ずばり、やったのはこの3つです。
1. レビューへの回答に人間味を出すこと
2. 普段のコミュニケーションに人間味を出すこと(ツイッター、CSなど)
3. レビューを求めるタイミングを、正義的なタイミングにすること
以上です。
以下は解説なので、さっそく実践したい方はこの3つをスクショしましょう。もう少し知りたい方は先にすすみましょう。
正義の仮面
上記3つのテクニックに通底することは、正義の仮面をかぶる行為ということです。
正義の仮面には、3種類あります。
1つ目は、人格を持った存在であること。人格を持った存在を悪く言うことは人の正義に反するため、悪いレビューは激減します。
特に、弱者的──老人や子供など──であれば効果は絶大です。反対に、偉そうな態度やスーツスタイルにしてしまうと、大した効果は得られません。ちょっとしたバグで大量の悪意あるレビューを得てしまうでしょう。
極論、完璧であるか可愛げがあるか、そのどちらかでしか高いレビューを得続けることは出来ません。そして、ソフトウェアに完璧はあり得ません。
2つ目は、人格ある存在であることを、複数のチャネルで知らしめておくこと。レビューする時、必ずしも特定のチャネルを見ているとは限らないためです。
相手が可愛げある人格であることを知っていれば、批判的なレビュー(3.0以下のレビュー)はある程度避けられますが、人格をアピールするチャネルには実際にレビューする画面を含めるべきです。
レビューを付ける際、他のレビュワーとの会話を見てそのアプリや開発者の人格が可愛げあるものだと知れば、評価は好転するからです。
(ZOWAのレビューへの回答。かなりラフな言葉遣いをしている)
また、複数のチャネルで接触している人の場合、効果は相乗されます。SNSでの発信でもキャラクターを徹底しました。
効果的に行えていれば、初期・中期のフォロワーは全て好意的な点数を付けてくれます。実際自分たちにはこれが起きましたし、バグが起きた報告をしつつ5.0の評価を付けてくれることもありました。
彼らは僕たちを応援してくれていたのです。
その後も設計されたキャラクターとその徹底によって、何かあっても可愛く謝れば、許してもらうどころか応援されるようユーザーとの関係を築くことができました。これは再現性のある(けれども地味な)テクニックだと思います。
3つ目は、アプリ内でレビューを求めるタイミングを、パーソナライズされた正義的なタイミングにすること。
自分の好きな人に貢献するアクションをした時や、コラボした相手に高い評価を付けた時など、自分や自分に近い人、あるいはアイデンティティに近い行動に対して、人は好意的になる傾向があります。このタイミングでアプリのレビューモーダルを出すのです。
参考:SKStoreReviewController
Appleの場合公式にはこういった手法を嫌っているようですし、自分も正直嫌いだ、下らない、本質的じゃない、と思わないでもないですが、HIGを読む限りこれを可能にするメソッドも存在しています。
ビジネスを行う以上、使わない手はありません。
人の認知は実に曖昧
絶対的なレビューなど存在しない
レビューに関してかつて自分がしていた勘違いは「レビューはすべて正直に行われ、生の状態でのレビューこそがプロダクトの正当な評価である」という思想です。
とても正直で公明正大な思想ですが、残念ながらこれは違います。人間そう正直ではありませんし、レビューの時点で全てを見通している人もいません。
App Storeなどプラットフォーム側から見ればプロダクトのクオリティを担保するものですが、プロダクト側から見ればマーケティングのための仕組みと見るのが合理的です。
人類にレビュー機能は早すぎる。
レビューはあくまで、その時点でその人が体験した事象やそこに至るコンテクストから生まれるものであり、プロダクトへの評価ではありません。あえて言うなら、行われているのは体験の評価です。
体験は人の興味や感性、人生観などの価値観によって異なります。レビューの点数の多寡は、絶対的な指標ではないのです。
レビューをアプリケーションそのものの評価として定義してしまうと、そんなものは人類には早すぎると言わざるを得ません。不可能です。
人間の認知力では、行うレビューに完全性はありません。その人がその時点で感じたことをただ書いているに過ぎませんから。
それを忘れずに、積極的に人間の認知をハックしていきましょう。(間違ってもストアをハックしてはいけませんけどね🙅♂️)