世界のスター人材採用に学ぶクロージング術
自社を飛躍させるスター人材を採用できているか?
個人的にはいっっっちばん難しい仕事に思える。
今回はスター人材の採用をテーマに、世界の事例から学びを得たい。
ということで自分が聞いたことはあるスタープレイヤー採用エピソードを3つ集めてきた。
1. スティーブ・ジョブズのペプシ事業担当社長の引き抜き
2. 日ハムの大谷選手の指名
3. 楽天三木谷社長のイニエスタへのオファー
今回は3エピソードについて深掘りして行きながら、自社の採用に活かせそうなことを抽出していく。
エピソード1 : スティーブ・ジョブズからジョン・スカリーへの強烈な口説き文句
本エピソードのサマリ
Appleの社長となれる人物を探していたスティーブ・ジョブズが
ペプシコーラの事業担当社長ジョン・スカリーを引き抜いた。
(その後ジョブズを退任に追い込む張本人でもある。)18ヶ月の間に渡る交渉の末、
「このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか?」
という口説き文句が決め手になった。
詳細
詳細に読みたい方は以下書籍をお読みください。
以下はWikipedia(ジョン・スカリー)より引用。
学び・ポイント
自分より圧倒的に強い人を取りに行くマインドセット
マーケティングに強い人が欲しいから、ペプシの事業担当社長を採用しようという発想はマジかってなる。普通は1ポジションの人が欲しいというときに、世界で1番得意な人を探しにいけない。
一方で真に成果に向かってゼロベースで考えられていると思うし、それを実現に落とす実行力が本当に尊敬できる。
圧倒的に刺さる口説き文句
スティーブ・ジョブズの映画などでもフィーチャーされる、砂糖水の口説き文句はスカリー自身の心をガッツリ掴んでおり凄すぎる。
(ただこれは真似できる気がしないわ,どすべりしそう)
長期間追い続ける姿勢
18ヶ月にわたって交渉していたというのは今回調べて初めて知った。南場さんが前田さんを5年かけて口説いたという話はあるが、トップ人材の採用は長期スパンでタイミングが来るまで粘るというのは大切だと思う。
エピソード2 : 日本ハムから大谷選手への渾身のプレゼンテーション
本エピソードのサマリ
大谷選手が早期からメジャー入団を目指していることを公言していたため、他球団はスカウト諦めた中で、日ハムだけが1位指名し、そこから国内球団へのチャレンジからスタートするという意思決定につなげた。
大谷選手向けのプレゼン資料を用意し、MLBのトッププレイヤーになるという大谷選手の夢を実現させるために最適な環境であると、綿密なリサーチ・分析を通じて伝えた。
詳細
以下記事より。
以下は交渉で利用されたとされている資料を引用。
(Gigazine 日本ハムファイターズが大谷選手に入団を決意させた資料をネットで公開より)
学び・ポイント
諦めない姿勢
他球団が諦めている中で、それでも指名しに行く姿勢自体がつくった結果だと思う。チャレンジしないと成功しないを体現しており、実際に成功させていて本当にすごい。
相手目線のフラットな提案
相手が何を達成したいかを起点とした論理展開、選択肢を相手目線で整理し事実をもとにフラットに比較。めちゃくちゃレベルの高い営業の提案という印象で見習いたい。
他2つのエピソードと比べて一番マネ自体はしやすい・再現性が高いと思う。
エピソード3 : 楽天グループ三木谷社長のイニエスタ自宅訪問
本エピソードのサマリ
FCバルセロナとのスポンサー契約を決めた後、
イニエスタの獲得というビッグニュースを立て続けに作った。イニエスタが海外に移籍するというニュースは流れており、中国に行くことがほぼ決まっていたところだった。
思いついてから数日でイニエスタの自宅に三木谷さんが直接訪れるというサプライズ、日本のサッカー界を引っ張ってほしいというメッセージにより移籍を決めた。
詳細
学び・ポイント
やると決めてからのスピード感、直接家まで現れるサプライズ性
思いついて数日以内に、直接家まで飛び立つ行動力。世の中に大きいインパクトを与える経営者はやはり実行力が違う。普通じゃないことをすぐに決めてすぐにやる。
余談)自分も候補者も都内にいることが多いが、誰の家にも凸したことはない。一番の凸で候補者最寄りの駅のカフェだ。
長い目線で夢を語る
単にチームで活躍して欲しいという話でなく、日本のサッカー界を引っ張って欲しいという将来の大きい夢を語る。
まとめ : 明日から意識したいこと
自分が明日から意識したいことを最後にまとめる。
スター人材を無意識のうちに採用候補の選択肢から外していないか。自分の組織にとって一番良いと思える方をゼロベースで発想できているか。
相手の目線で次の選択肢を整理し、考察できているか。その中で自社が1番良い機会であることを自信をもって説明できている状態になっているか。
候補者に対して自社が提供できる機会を最大限伝える努力ができているか。時には自ら足を運び直接会いにいくことができているか。
以上スターの獲得事例をまとめた。
明日からのクロージングで役に立つ要素があれば嬉しい。
※本記事は「候補者と企業のより良いコミュニケーション」をテーマにした#採用ブログリレー2/17分の記事です。昨日はキャディ株式会社 北野原 一星さんの記事でした。次回(2/20(月))はGaudiy 山本 花香さんの記事です、ワクワク。
追記 :エピソード4 三顧の礼(劉備と諸葛孔明)
記事を出した後に、前職で大変お世話になったTipsを得意とした学のある先輩から、「歴史で言うとまさに三顧の礼だね」と教えてもらった。
トップが自ら出向く姿勢の必要性を謳っており、締めエピソードとして大変良いなと思ったので追記。