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愛しいジャングルよ
仕事をしながら、机の上で花火を眺めるなんて贅沢だった。
葉っぱは掌のようにぐんぐん広がっていき、枝から伸びていた。打ち上がった花火が一瞬止まったような、緑のアークは植木鉢の上空で緩くて垂れ下がっていた。
木を食卓の上に置くのは初めだった。もし大きい机を買わなかったら、このアレンジの発想が来なかっただろう。
生活はやっと落ち着いた。新しいマンションを借りるとき、インテリアも空間も、自分の好みで作る決意だった。
ロフトのような間取りがない角部屋を見つけた時、とても気に入ってしまった。もともと東京都内のマンションのスペースが狭いので、壁やスライドドアより、家具で自由に空間を仕切る方が好きだ。
ベッドは部屋の半分を占めた。料理のスペースを確保したくて、読書と仕事のスペースも共用するんだったら、大きいアイランドテーブルは一番良い選択肢だっただろう。
ヘアのスタイルをインダストリアル風に決めて、広いオーク材の天板と黒い鉄の足のテーブルを見つけた。見れば見るほど愛着が増した。机の上で横になることもできるんだ。
どのような世界で夢見るのがいいのだろう。
家具を探しているうち、お洒落なインテリアショップには観葉植物を売るトレンドがあるんだと気づいた。
小鉢の中の盆栽はもちろん、木も売っていた。屋外やベランダで園芸の世界を築くこととは異なり、主役のコレクションとして、まるで熊の剥製や宇宙服のように室内で展示されていた。
ちょっと調べると、売っていたフィカス、モンステラ、シダなど植物は、もともと熱帯のジャングルに生息していた。
熱帯出身の私にとって、ちょっと不思議だった。高温多湿の島で生活していたので、植物と虫とは一体だった。ベランダ、庭もしくは門前に植物の鉢を置く人は多いけど、家の中で木を置くのは珍しいかった。
ちょっと考えてみたら、コーヒーショップやホテルには確かに室内で木が植えられていた。しかし、これらの場所は、多分エアコンや温室などの手段で環境を維持して、虫は寄ってこないのだろう。
乾燥した温帯国家にいれば、ジャングルの中の野性は穏やかな性格に変わるということか。
知らず知らずのうちに家具たちは全員集合して、鉢たちも二十個以上に超えた。目覚める時、木々とハーブの匂いを嗅いだ。台湾にいたときは特に植物が好きではなかったが、今は懐かしい気持ちを感じた。台風が来たとき、慌てて鉢の中の皆さんをベッドの周りに集めて一緒に寝た。嵐にも稲妻にも負けず、愛しいジャングルよ。
夏のある日、そよ風がカーテンにひらひらそよいでいた。窓辺では何かが妙だった。目を半分瞑ったまま、焦げた葉っぱを見た。なんと、パキラと姫モンステラは日焼けてしまった。
熱帯植物ではないのか。しっかりしろ、我がジャングル軍団よ。
2020.05.31