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なぜ、ユーザーを知るべきか?

カーネギーメロン大学では、"I'm not the user."を繰り返して教えるらしいです。"私はユーザーではない"ということで、我々は開発者であってユーザーではないという意味です。つまり、開発者自身の意見ではなく、常にユーザーを理解する努力を継続するべきということです。

UXデザイナーのスキルとして、様々な方法でリサーチをする力、客観的に得た情報を論理的に具体化する力が非常に重要です。
UXデザイナーにとってリサーチというのは切り離せない関係です。
では、なぜ、ユーザーを知るべきなのか?について考えてみましょう。

実はユーザー自身も何が欲しいのかわからない

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Steve Jobsは、"多くの場合、人々は欲しい物を見せる前までに何が欲しいのかが分かっていない"と語っています。

代表的な例がiPhoneです。多くの会社がガラケーで競争している時、iPhoneが発売されました。多くのところでiPhoneなんて流行らないという声が出てました。それは電話という感じよりコンテンツ機械に近いと認識だったからです。しかし、iPhoneは革新を起こし、今はほとんど人がスマートフォンを使っています。

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1996年、孫正義会長によって"Yahoo! JAPAN"が初めて日本に上陸した時、多くの人から以下のことを言われたらしいです。

"インターネットの黎明期、いわゆるその当時の“大人”とされた人たちは、我々はリアルの中で仕事をしていると。インターネットというのはなにか怪しげなバーチャルな空間で、君たちはなにを浮ついたことを言っているんだと。そういう見方でしたよね。"
ー 平成から令和へ インタビュー・平成、そして新時代 より

笑わせるが今はインターネットがないと生きれないほどのものになっています。
しかし、人々はiPhoneもインターネットもなかった当時、インターネットがないから不便で生きれない!iPhoneを作れ!インターネットを作れ!と考えもしなかったです。当時の環境や出ていた商品やサービスに慣れて生きていたわけです。

このように、ユーザー自身も分からない本質ニーズをオフィス中でメンバーだけで頭を集まって議論をしたとしても答えが出るわけがないです。

なので、ユーザーと継続的に会ってユーザーの本音を吐き出してもらい、深いところにある本質的なニーズを把握する努力が必要です。

正しいユーザー理解が正しい価値提供に繋がる

"正しいユーザーの理解が正しい価値提供に繋がる"。すごく当たり前な話ですが、UXに関して相談を行うと、実務で多くの方々が苦労していることが分かります。

"リサーチにかける時間やリソースがない"
"そもそもリサーチができる専門のメンバーがいない"
"社外の人を呼んで行う予算がない"
"プロジェクトのスケジュールにリサーチの見積もりが考慮されていない"
"デスクリサーチもしないといけないし、ベンチマーキングもしないといけないし、リサーチする時間ってどこにあるの?"

なので、"無理であればしないし、メンバーで議論するから大丈夫じゃないか、みんな同意取ってるし・・・"

残念ながらこれは言い訳に過ぎません。単純にその方法が知らないだけであり、リサーチ方法はいくらでもあります。UXデザイナーであれば、妥協してはいけないし、限られている条件や環境でも乗り越える回答を探す必要があります。
リサーチ文化がなければ、味方や仲間を作りつつ啓蒙活動をする必要があり、リサーチの良さが伝わっていないのであれば、なぜ良いのか繰り返して伝えつつ自分自身が成果で証明していくべきです。

実務では多くな錯覚が起こりがちです。自分自身の経験をユーザーの経験として化けしてプロジェクトを進行したり、表面的ニーズを潜在的ニーズと錯覚する場合もあります。ユーザー課題がしっかり把握できていないので、"プロジェクトを最後まで行ってリリースした!"ということが成果になる場合も多いです。

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ユーザー課題やニーズを正しくキャッチする必要がありますが、ネット検索や自身の経験だけではユーザーを理解することもできないし、間違って受け入れることになる可能性も高いです。

結果、誤ったソリューション提供で使ってくれない機能になったり、無駄なリソース使いになってしまうリスクになります。

そのため、ユーザーと会うことが重要でありますが、単純に人々に何が欲しいですか?と聞くだけでは正しい答えを得る可能性は非常に低いです。
正しい方法でユーザーに直接かつ継続に聞く必要があります。
(正しい方法のやり方は今後の記事でも書きますが、正直継続な勉強と経験を積んでいくのが前提です。最初は失敗する可能性が高いです。でも、スタートがないと何もならないでしょう)

リサーチせずにプロジェクトを進むことは大きなリスクに繋がるので、最低限のリサーチでも行う必要があります。
例えば、社外インタビューやユーザビリティテストが難しいのであれば、社内インタビューやユーザビリティテストでも実施するべきです。それでも難しかったら家族や友人にもお願いしてリサーチをすべきです。

正しいリサーチを通じてプロジェクトを進行し成果を味わった企業は必ずリサーチを実施します。それほどユーザーの潜在的ニーズが重要だということを知っているからです。

みなさんのチームのリサーチの現状はいかがでしょうか。ユーザーを知るために何に苦労していますか。逆にうまく進めているのであれば、何が核心になってますか。しっかり考えて見る価値があります。

あとがき

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