ライスに塩
お茶碗によそわれたご飯に塩をかけない。
のに、平皿によそわれたご飯には塩をかけるらしい。
小学生くらいの時。
サイゼリヤでハンバーグとセットで頼んだライスを食べようとした際。
一緒に来ていた大人(親だったか歳上のお友達だったか覚えていない)に
「ライスに塩かけないの?」
と言われた。
「なんで?」
と聞く小学生の私
「塩かけないで食べてみればわかるよ」
と言われた。
塩をかけないで食べてみた。
わからなかった。
今もわかっていない。
重要な会話ではなかったので塩をかける理由を聞きそびれた。
聞きそびれたせいで、この時の思考を何度も何度も反芻して生きている。
塩をかけないと不便があるということか?
塩をかけないでフォークで食べようとすると、ポロポロと落ちてしまって食べにくいとか?
塩はフォークでも食べやすくするためのアイテム?
それとも、単純に味付けのため?
塩ライスはハンバーグと合うのかな?
テーブルマナー的な事を教えてくれてたのかな?
とかとか。
きっと調べたら何かヒットするのだろうけど、それがあの日の私に教えてくれようとしていた事なのかは、もう知る由もない。
塩をかけないで食べてみた日から私はライスに塩をかけない。
涙が溢れて、今食べているライスに涙がかかって、「これがライスに塩か」みたいなさぶい展開/結末を一瞬でもよぎってしまった自分が恥ずかしい旨をお伝えいたします。
ライスじゃなくて、茶碗の米に涙でも、それはそれで対比みたいになっていい感じかしら。
あ、恥ずかしい恥ずかしい。
読んでて同じ結末を思い描いていたあなたも恥ずかしいです。