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自由に、言葉で。

お前が誰かって?
知っていれば
もっと気の利いた
名前で
呼んでやったさ

───あの日
お前が空の上で
アスペンの様に震え、
海風がその震線を
引き千切った時にも
僕等がお前を
捕まえてやった
忘れたか七月紙鳶(カイト)

鳩山郁子「青い菊」収録
『七月紙鳶』91頁より


1996発表の漫画作品の台詞を、ここに引用しました。

こんなに力強い文章を漫画の中で、ぼくはどうやら若い時分から読んでいたようです。

ぼくはまだ臆病なのかもしれません。

読みやすさ、理解してもらえるように、そういうことを大切にされる作家さんもいらっしゃるし間違いはない。

ただぼくには向いていない。ぼくのやりたいことはそうではない、ぼくのやりたい文章遊びはそちら側だろうか。やりたいことをやっているのだろうか。

とりあえずスキのかずは気にせずに、自分がほんとうにおもしろいと感じられる言葉、文章、その展開。そういったものごとを臆せずこれからも書こうと、いま感じています。