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インタビューよりもエスノグラフィーが大事?のおはなし
こんにちは!
IT企業で、婚活支援サービスのUI/UXデザイナーとして働いているウーレン(純モンゴル人)です。
先日、公開されていた「なぜ日本ではデザイナーの地位が上がらないのか」の記事で、”デザイナーの地位が向上しないのにはデザイナー達自身にも責任がある”と言うところに共感・刺激も受けたので、デザイナーの地位を上げるために自分のできることをやって行きたいと思いnoteを始めました。
デザイナーとしての日々の学び・考え方・疑問などについて書いていこうと思っています。
よろしくお願いします!!!
今回は自己紹介と、「エスノグラフィー 」について書きたいと思います。
・自己紹介
・なんでエスノグラフィー の話?
・エスノグラフィー とは
- エスノグラフィー に期待できること
- なんでエスノグラフィー は大事なのか?インタビューするだけでいいのでは?
- エスノグラフィー のやり方&ステップ
・最後に
自己紹介
・トゥムルハドゥール ウーレン
・2007年に日本航空高等学校に留学
日本のおもてなしに心が打たれ、デザインの道に進むことに
・千葉工業大学院 情報デザイン科学科 2014年卒業
・株式会社ミクシィ新卒入社
・担当したプロダクト
7秒のかわいい動画でファンをふやすマッチングアプリ「VEAT」
女子の願いを男子が叶えるマッチングアプリ「swish」
婚活支援サービス「youbride」
なんでエスノグラフィー の話?
仕事上でのデザインだけではなく、もっと広い視点を持ってデザインの学びと研究をしたいと思い、今年の5月から社会人ためのデザイン学校「X DESIGN ACADEMY」に通い始めました。
Xデザイン学校では、月に一度の講義・ワークショップと学びのコミュニティで、講師や生徒同士との対話を通して学びを深めていくカリキュラムになっています。その第1回目の講義が「エスノグラフィー 」についてだったので、ここで簡単にまとめたいと思います。
講義の先生は、関東学院大学の教授である佐々牧さんでした。講義から抜粋させていただきますmm
ここから佐々牧教授の話になります。
エスノグラフィー とは
エスノグラフィー とは、見知らぬ現場を観察すること。人々が活動している現場を観察・理解し、それを描写するための手法とも言えます。
エスノグラフィー(Ethnography)は、ギリシア語の「ethnos(人々)」と「grapehin(描く)」という2つの言葉を語源にもち、直訳すると「(いろいろな)民族を描写すること」となります。もとは文化人類学や社会学で無知な民族の生活様式などを理解するための研究手法の一つでした。
エスノグラフィー に期待できることは?
モノやコトづくりのイノベーションにつながる原石を発見する一つの手法である。
なんでエスノグラフィー は大事なのか?インタビューするだけでいいのでは?
この話に入る前に一つ有名な話をします。
グループインタビューで主婦の方にお皿の調査を行いました。
目の前に丸いお皿と四角いお皿を置いて、どっちのお皿が欲しいですか?という質問に対して、みんなが四角いお皿がカッコイイ、オシャレという回答が多く、四角いお皿が人気でした。インタビューが終わった後に、お礼として好きなお皿を持って帰ってくださいと言ったら、全員丸いお皿を持って帰ったらしいです。
上記の例のように「人が言っていること」と「人が行われていること」また「人が行なっていることを言うこと」も全く異なるので、エスノグラフィー はとても大事です。
人は普段、意識的に行なっていることが5%+無意識に行なっていること95%とよく言われている話です。したがって、本人でも分からないことをインタビュー通してどのぐらい引き出せるのでしょうかということです。
また、人は困っていることや不便さに慣れてしまう生き物で、いくらインタビューで困っていることについて聞いても出てこないということはあるかと思います。ですから、インタビューすることも大事ですが、ユーザー観察もして両方をバランスよく調査を行うことを意識しましょうとのことでした。
改めてまとめると
・人々は聞かれて答えることと実際の行為は異なることがある
・当たり前に行われている行為は、全てを言語化できるわけではない
・アンケートの中では、社会に望ましい回答や自分の理想に沿って回答する傾向がある
ですから、無意識的に行われていることを把握することがとても難しい!
エスノグラフィーのアプローチによる、ユーザーを深く理解し本質的なニーズに迫ることで、ユーザーの潜在的期待に寄り添って商品の取り組みをできるのではないか。※しかしエスノグラフィー は全てだと思っていません!
エスノグラフィー のやり方
エスノグラフィー のやり方はとても簡単ですが、観察力が問われます。
観察する際の持ち物は、小さなメモ用紙とペンになります。メモ上で事実だけを書くことが大事です。気づきや分析、先入観を入れないことを心かけましょう〜
エスノグラフィー を実施後の話を、今後noteで書き留めますので、今日はここまでにします。
最後に
製品開発する際にエスノグラフィー手法は一番適切かと思いますが、アプリの場合はエスノグラフィー を取り入れるのが難しいと思いました。
だからIT企業では、ユーザーインタビューやテストを行われている会社が多いかと思います。現在、私が関わっているサービスもユーザーインタビューを行っています。しかし、なかなかユーザーの本質的なニーズや価値を聞き出すことに難しさを感じているところです。
ですから、ユーザーインタビューだけで満足せずにユーザーがいるリアルの場に足を運んで観察するのも良いヒントがあるかもしれないですね。
私が以前、女子大生向けのサービスを手がけていた時は、女子大生がよく行くオシャレなカフェなどに足を運んで、観察していました。
インタビューにしろエスノグラフィー にしろ、ただ頭で想像してデスクの上でデザインするよりは、自分の目や耳、肌で感じることが何より大切かと思った講義でした。
今後、Xデザイン学校で学んだことについても書いていきたいと考えております。コメントやアドバイスなど大歓迎ですので、よろしくお願いいたしますmm