最初の1年
高校1年の4月。
彼女にフラれた所から自分の心が壊れ始めた。
その1ヶ月後。
同じ部活の奴と並んで歩いている姿を目の前にして、逃げた。
目を背け、見ないフリをした。そして自分に嘘をついた。自分には関係ない事だと。もちろん、関係ない。でも、自分の心には嘘はつけなかった。
その日から世界の色を失った。感情が動かなくなった。
そんな高校の最初の1年。
唯一何もかも忘れられた部活に打ち込み、卒業したが、何も持っていなかった。
そこから浪人1年目に入った。
何も持たずに卒業した事を1番後悔した年。
医学部に行く事は決めていた。一緒に浪人した友達はほとんど同じ進路だった。でも、明らかに違う。持っているものが。
学力はもちろん、モチベーションも、見据えている世界も違う。隣にいると肌で感じる違い。
また、逃げた。頑張ることから。
受ける前から決まっていた結果に納得はした。でも、キツかったのは浪人開始時点では同じ点数だった友達がしっかり受かっていったことだ。誰が見ても一番頑張っていたのは彼だから当たり前なのだが。
当たり前から逃げた自分は、自分の人生を諦めた。
何年かければ受かるのだろうか。
そんな事を考え始めた最初の1年。