自由律俳句×50
自由律俳句と冠していますが、自由律俳句ではないかもしれません。形式にはこだわっていません。
わざと難しい言葉を使ってわたしをおいていく
恋してないのに失恋している
嘘をつくな!
惰性で命を捨てるモブ
汚して洗ってもどしてまた汚す食器
寒い夜にひとりだとそろばん塾の前の公衆電話が現れて、ステップワゴンのライトで消える
定時ですので消火はここまでとさせていただきます
フライパンの蓋を開けて灰を落とす
駅まで乗せてくれた龍の背中にメーターがあった
気になってた人が使うと萎えるスタンプ
生きたあと、死になさい
画面の中には信じられない光景があり、そこらへんにもある
親指で絶望とユーモアとかわいい犬の画像がすごいスピードで流れていく
落ち着いて、みなさん 今のは大丈夫な地震です
そんなこと、指先だけで言われてもなあ
検索欄に「あれだよあれ」と入力
寝て、夢のなかでも寝て起きて、起きる
まあ神様は犬派だから
髪をぴったりつめた細身で姿勢の良い女の子は、わたしがいちばん知らない人生をがに股で歩んでいる
ヌードデッサンの途中で銃撃戦がおこったときのモデルの心細さ
ゴミか私か決める毛根
地獄が青かったらどうする?
トゲトゲの心でトゲトゲのアクセサリーをつける
わたしばっかり文字が長い
好きなひとが鳥飼ってるの知らなかった
シャッターが眩しいから目をつむるんだよ
客室乗務員の案内があるまで心臓は取り出さないでください
もうすぐ死ぬ人だけが見える星
降りようか渋る猫
手を洗ったあとに無いハンカチを探す仕草
麒麟の餌をホームセンターで探す
それって命の感想ですよね
落ちてる天使の羽にいた未確認の細菌
甘めのお薬出しときますね
意外とみんな1人で突然海とか行っててつまんない
ゴキブリは家にでてもいい虫のデカさを超えている
一生懐かないボーダーコリー
福井って上の方? 笑ってその子を訂正する男とそうなんだと思いながらわかっているような顔をして薄らと笑う私
那須川天心がわたしが欲しいカーディガン着てた
全てがうわずっていてそのまま上の方に飛んでいく
あいつを見つけたらさ、あたし、このマスターボール投げようと思うんだ
あと2口くらい残ったエナジードリンクで火を消す
あのさ、もう中忍なんだから、言われる前にマキビシくらい敷こうよ
黒糖ベーグルがトゥワークをするパン屋さんの悪夢
ブレスケアを飲んだ3分後に胃から同時に上がってくる熱さと冷たさ
10人家族の家事は朝から疲れるザマス
あそこのクリーニング屋を曲がった先で無限1upできるらしい
シャワーを出した瞬間のこの世の終わりみたいな轟音
葉っぱの間の青の正確な形
裸足で街を歩くと地球が家になった気がするが、地球はわりと故郷である
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?