四日はや魔法のとけし顔洗う  岡田恵子

正月気分も三日で飽きる。のんべんだらりと過ごした日々がもったいなく感じられ、今日からはいつもの自分をとりもどそうと心に強く誓いながら、歯を磨き顔を洗う。この世で一番に回避したいことは退屈であり、生き物は生まれつきたえず動くようにできている。その根源が疼き、揺れ、動き、リズムを刻もうとする。生来の活動に目覚めた四日の朝、寒さに蹲る冬眠状態から脱し、自ら手足を動かし自家発電するいつもの自分の顔になる。