寒きびし學生駅へ群れよぎり   及川貞

一年で最も寒さの厳しい時期に、国公立の入学試験が行われる。頭が冴えて良い反面、体調を崩したり、交通機関の混乱に遭遇する不運もある。人生の岐路に立たされる学生達に熱い視線を送り、頑張れと応援する。自分も遠い昔に経験しており、その頃の不安と緊張を思い出す。一人列車に乗り、見知らぬ土地で受験する。試験会場まで無事に辿り着けるのだろうか。割り振られた受験番号を見つけ席に着くまでの鮮明な記憶が脳裏を掠める。