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“安全神話”は壊れているのに

ぼくはストーカーの話をするとき、ぼくより大人の人と(実年齢ではなく)話すことも多くある。
しかし、彼らは「ない」が前提から話を始め、頭から否定してかかってくるのが殆どだ。

「証拠がないんじゃね……夢でも見たんじゃないんですか」
「失礼ですけど、お部屋って片付いてます?」
「忘れっぽいとか良く言われませんか」

よく言われることだ。残念ながら、実の母にも。

彼女に「ストーカー」の五文字を出すとまるで空気、無かったもののように扱うし、一度ぼくが夜中に不安に耐えかねて警察を呼んだところ、母親の「そんなことあるはずないでしょう」の押し切りで何も無かったことにされてしまった。

些細な違和感でさえこれでは、わずかな証拠を土足で踏みにじっているのと同じことだ。

一度、精神科医に同行したことがあったから、さぞ理解してくれようとしているのかと思ったら、わけの分からなさを加速しただけのようだ。

だが、彼女とて巻き込まれているのだ。
彼女の携帯にも、侵入しているのだから。
貯まったポイントを勝手に使われたり、楽しそうに電話をしていると電話を切られたりしている。
その他気に入らないことや、自分に気を向かせたい時などに通知を無駄に鳴らしたりする。

いわば携帯を持っていない父親以外、三人がはっきり被害と言えるものに遭っている。

それ以外にも、家族以外の小便が流されないで便所にあるだとか、ヨーグルトやアイスバー、今日判明したところでは冷やしたビールなどが冷蔵庫から持ち出されていたり(当然消費されているだろう)だとか、ぼくのピースを一寸一寸持ち出して偶に消火をきちんとしていないだとか、枚挙に暇がない。

この二、三日で判明したことだが、ぼくの同人誌(歌集)の在庫を盗み出して、ぼくの古いアカウント(これも盗んだもの)で高額で売り捌いていたらしい。
今関係者とやり取りしている最中だ。

ここまでやられても、母には話せないし、警察も呼ぶなと釘を刺されている。

何でだ。

子どもがこれだけ苦しんでいるのに、自分の安全神話の方がそんなに大事か。
だからぼくは話すことをやめてしまった。

個人的に関係機関を頼ろうと思っている。
もう親には頼れない。残念ながら。


  ガラス戸を後ろ手に閉めひっそりと
  悲しかるかな飛び出す吾



シキウタヨシ

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