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山﨑洋実 著「戦わないコミュニケーション 苦手な人が気にならなくなる本」

山﨑洋実 著 戦わないコミュニケーション 苦手な人が気にならなくなる本

アウトプット

“コミュニケーションには、2つの種類があります。『対人』のコミュニケーションを思い浮かべる人が多いと思いますが、もう1つ、私が大事にしているのは『対自分』のコミュニケーション。人とうまくかかわるためには、まず自分を知り、自分の感情とうまく付き合えるようになること。自分の感情をコントロールすることは大事。それには、感情的に反応しないこと。特に怒り。”

 

“『知っている』と『できる』は違う。この本を読んで、日常で深めて『できる』ところまで実践すること。そして、ただ実践するのではなく、コミュニケーションの根底にある“マインド”も理解してほしいのです。”僕がイマイチ理解できてないのはこの”マインド”という意味。マインドというのは「私はあなたと、穏やかなコミュニケーションをとりたいのですよ。」といった意図みたいなものかな・・・よく分からない。この本でお伝えする全てのセオリーを実践する必要はありません。1つでも2つでもいいので、「今日からこれを実践する!」と決めてください。そして、それをぜひ継続してほしい。継続は力なり。どのコミュニケーション本もそうだけど、実践してフィードバックして、又、実践しないと全く意味がなし。

 

僕の仕事、人生、これから生きていく上でも、メンタル疾患との共存は避けられない。うまく付き合っていきたい。私はコミュニケーションが苦手だ。人間関係も下手だ。そんな私がメンタルダウンで転職を繰り返して出会った今の職場は環境的に最高に恵まれている。理学療法士の1人職場。職員さんもいい人ばかりだし、仕事内容も負荷にならず丁度いい。私は、この職場に骨を埋めます。

 

そのためにはコミュニケーションスキルを低いなりにも上げておく必要があるということで、コミュニケーション関連本を読んでいる。

 

その1冊目。山﨑洋実 著「戦わないコミュニケーション 苦手な人が気にならなくなる本」である。まず、この本、読みやすい!スイスイと読むことが出来ます。まず、この本の中で一番僕が心がけなければいけないこと、それは憶測妄想癖を捨てることです。私は人の態度や言葉だけで「私のことが嫌いなのかも。」という憶測妄想癖がある。これのせいで勝手に苦手な人を作って勝手に距離をおいてその人達と協力しながら仕事をすることを避けてきた。憶測妄想癖はよく自覚、見留めておく必要がある。それに憶測妄想癖があるとせっかくの人とのご縁を失うことになる。思い切ってコミュニケーションをとってみたら意外といい人だったなんてことはよく割る話。まず自分からが大事。

 

第1章        みんな違うパターンを持っている

もし周りに苦手な人がいたらどうするか?

行動のパターン→積極的な率先タイプ、その場を上手に仕切る人、消極的・受身的な人

思考のパターン→目標に向かって邁進「未来派思考」、任されたこの仕事を成功させよう「今ここ思考」

感情のパターン→喜怒哀楽の感じ方のパターン

自分のパターンが見えてくれば他人のパターンも見えてくる(自己理解と他者理解)

過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来

人と戦わないコミュニケーションの第一歩は相手を変えることではなく、「自分を知る」(自己理解)ということ。→つまりは自己理解と他者理解が必須

「あの人はこういうパターンで動く人」(他者理解)と自分との違いを冷静に理解できると人間関係の悩みはぐんと減る。

自分のパターン(自己理解)を知ると、いつもとは異なるパターンを選択できる。

それぞれ、みんな違う脳を持っているのだから、コミュニケーションパターンも違って当然。どれが良くて、どれが悪いもない。行動のパターンと思考のパターンと感情のパターンがある。まずは、「自分のパターンを知る」(自己理解)ということが何より大切。そして、他人のパターンを見留め(他者理解)、受け入れると人間関係の問題はグンと減る。だから”戦わないコミュニケーション”なんだな。

 

第2章 安心感が人を動かす

私たちは相手の行動や言動に対して反応しあって生きている。ジャッジしがち。ジャッジしない。

人に安心感を与えるにはどうしたらいいか?→相手を見留める(認める)こと。ジャッジせず、「そうなんだ。」と受け入れること。

相手の行動や言動をジャッジしない、憶測しない、反応しない。「あなたはそうなんだ」と受け入れること。これはすごく大事!人には承認欲求がある。だから、受け入れて、相手の承認欲求を満たす。自分の承認欲求が満たされ、相手の承認欲求が満たされ、お互いに見留めあった中で、安心感のあるコミュニケーションが展開される。基本的に自分が人と関わる上での意識やマインド、どういうコミュニケーションを好むか?

存在を認める→人には「自分の存在を見留めてほしい」という欲求があります。=存在承認欲求

承認ピラミッド→下から「Being(存在)」、「Doing(行動)」、「Having(資源/持ち物、学歴、才能など)」「承認存在欲求」→存在を承認してもらうことが、人間にとって最も根源的な欲求なのです。

人にとっていちばん大切なのは、自分の存在に気づいてもらい、自分の存在を見留められること

相手の存在を認めることこそが、人との関わりにおいて大切

かかわりが安心感につながる→人と関わる意識やマインド、最初の挨拶だけでなく、常に関わる人達からの安心感を与えるコミュニケーション→自分から「挨拶をする」「相手の名前を呼ぶ」あなたとかかわることで、相手がどれだけ安心感が持てるかが大切。

「ありがとうファースト」で影響を伝えよう→「ありがとう」は究極の存在承認

「ありがとう」を伝えるときは、相手の行動に対してではなく、その行動による影響を伝えることで、より感謝の気持が伝わりやすくなります。

例:「調べてくれてありがとう」「よくここまでデータを収集したねとお客様に喜ばれたよ」

人は感じることでしか動かない

人が行動を変えるのは、究極的には2つしかありません。1つは、「目標ができたとき」。自分自身が心の底から「こんな人間になりたい」「こんな仕事を成し遂げたい」と思える目標を見つけられたら、人は変わります。もう1つは「危機感を持ったとき」。本人が「このままではまずい!」と本気で思ったら、行動は変わります。「感動」とは「感じて動く」と書きますが、私たち人間は感情の動物。感じることでしか動かないんです。

相手に変わってほしいと思ったときは、どれだけ指示をしても責めても怒ってもダメ。「感じさせる」しかないんです。

子供の行動をジャッジしたり、コントロールしたりするのではなく、子供の存在と気持ちを見留めたうえで、感謝し、行動することを伝えました。これが、「感じさせる」ということです。

“人は感じることでした動かない”

1.目標が出来たとき→「こんな人間になりたい!」「こんな仕事を成し遂げたい!」

2.危機感を持ったとき→「このままではまずい!」

僕は、なかなか続けることが苦手だ。特にダイエットと運動。これが習慣化出来ない。

1.目標が出来たとき。「〇〇kgまで、減量」と決めても動かないと思う。

2.やはり、ある程度危機感迫る、例えば「高血糖、このままいったら糖尿病」ってところまでになると自動的に体が動き出す。「家族のために病気になるわけにはいかないんだ!」この思いが必死さを生む。

みんな違うパターンを持っているということ。

細かい人、大雑把な人、それぞれ。物事の受け止め方も、業務の得意・不得意もそれぞれ。良い悪いではなく個人個人が違うパターンで生きているのです。だからこそ、そのパターンを活かす方法を考えることで物事がスムーズに進む。私は、初めて自分と向き合い、自分のパターンについて考えました。苦手なことも見留めよう。

自分自身の得意なこと、苦手なことを知ることで、他の人の得意なこと苦手なことにも気づくことができるようになりました。つまり、自己理解することで他者理解ができるようになるということ。

1日にできる仕事量は限られています。メンバーにうまく頼るしかない。そのときにメンバーの得意不得意を考慮しながら、どの仕事を誰に頼むのが適任を見定めると、チームの仕事が滞り無く進みます。

“みんな違うパターンを持っている”ことを前提に適材適所。

自分を客観的に見ることで、自分の体力や気力のキャパシティーがわかり、限界に達する前に気分転換や休みを挟むようになりました。限界まで頑張ってしまい、イライラしたり、体調を崩したりしては、誰もハッピーになれません。

ここでも、自己理解。自分の強み、弱みを知ることで他者理解も進む。

私たちは集団の中にいて「私はここにいて良いのだ」と安心したい生き物です。その中で、できれば評価をもらいたいし、必要とされ、大切にされたいと思っています。また、誰かの役に立ちたいとも思っています。→存在承認欲求、貢献したい。みんな、承認存在欲求、自己効力感、貢献したい思いを持っている。

 

第3章 強みを活かしチーム力を発揮する

ゴールを常に確認する

チームで仕事をする際に最も大切なことは、全員が同じゴールを目指すこと。そして、達成に向けて、ブレることなく各自の仕事を進めていくことです。

PTAの仕事のゴールは子供のため。決して私の自己実現の場ではありません。

チームで働くときにみんながゴールを共有できなければ、そのプロジェクトはうまくいきません。ゴールは何か?ここを何度も確認してください。

チームで働くときは「ゴールは何か?」を何回も確認すること。どの職種もそれに向かって進んでいることを何回も確認!(障害者支援にもいえる)

メンバーの長所や存在意義をきちんと言葉で伝えること。「〇〇さんがリードしてくれたから、みんなが動きやすくなってるよ」「✕✕さんのサポートのおかげだよ」など、心のなかで思っていることを直接本人に言いましょう。

メンバーの長所や存在意義を言葉にして直接本人に言う。

自分自身の強みを見つけるためにオススメなのが、上司や同僚、友達、家族など身近にいる人達に幅広く聞いてみることです。

強みを見留め合う

自分の強みを他者から聞いて客観的に知ること。

自分の弱みを認めれば、力は倍に!実は人が認識しやすいのは、弱みの方なんです。自分のできないこと、苦手なことは気になるものです。「ダメなところは?」などと聞かれたら、すぐに答えられるのではないでしょうか?欠けた部分を、足りないときにするのではなく。「欠けている」とありのままを見留めることで周囲の力を借りることができる。

自分の弱点をしっかり把握することで、そこは克服しようとせず、人の力を借りればよい。自分は長所伸展であり、短所克服はしない。

自分の弱みを公言して、助けを求めるほうが結果を生みやすいこともあります。ときに誰かに甘えることは、社会人として大事なスキルでもなるのです。仕事ができる人ほど、弱みを堂々と見留めて隠さないし、人に頼るのが上手です。苦手なことも自分のパターンだから、努力しなくてもいいと言っているのではありません。素直に認めることで、仕事もうまくいくことが多いことを知ってほしいのです。できない自分に対して「折り合いをつける」ということだと思います。

プライドをちょっと横に置いといて、他人からのアドバイスに耳を傾けてみる。人と戦わずに受け取ってみる

持ってる才能を生かしきろう

みなさんは自分が持っている才能(強み)をすべて生かしているでしょうか?足りないところばかり目を向けて、出来な自分を嘆いて、そこを受けるために一生懸命になっていませんか?(短所克服はやめて、長所伸展に徹する)

この章のまとめ

1.チームのゴールを共有し、スイッチを適宜切り替える

2.チーム内での自分の役割を知り、それぞれが強みを生かす

3.弱みを見留め、人に助けを借りる

 

ワーク2今の自分に近い“キーワード”を知ろう!

次の言葉の中から、「今の自分に近い・しっくりくる」キーワードを5つを直感で選んで下さい。自分の場合→「家族・貢献・誠実・思いやり・素直」

選んだ5つの言葉は、あなたの行動の源となるキーワード。ここからあなたの強み・志向・価値観のイメージを掴むことができます。一方でその対義語はあなたの弱み「一人・足手まとい・不誠実・無慈悲・頑固」と言える。チームで仕事をすすめるときは、素直に周囲の力を借りる。

ワーク3自分の「強み」を意識しよう!pp96-97

第4章 人と関わることで可能性が広がる

人間関係で疲れるときは、自分の勝手な「憶測」に振り回されていることが多いんです。ちょっと相手が不機嫌だっただけで、「嫌われているのではないか」と心配して、距離をとってしまうことってありません。第1章で苦手な人はどうしても存在するとお伝えしましたが、早々に人間関係を断っている人が多いように感じて、それはもったいないことだとおもいます。「この人、苦手かも…」と思っても実際にコミュニケーションを取ってみたら意外とうまくいった、なんてことも多くあります。何より人と関わることで、私たちは成長できるのです。

憶測しないで一刻も早く関わることを実践。

勝手な憶測に振り回されない

私たちは日々様々な憶測に振り回されています。相手に確認してみたら「なんだ、そうだったのか。」と憶測と違っていることは意外にあります。頭の中で憶測が始まったら、まず自分にこう問いかけて下さい。「これは事実かな?それとも憶測かな?」相手に聞けるようであれば、事実を確認してみましょう。相手に尋ねにくい場合は、「事実は分からない。これ以上、私があれこれ気にしても仕方ない」と憶測をストップすることも大切です。

小才は円に出会って縁に気づかず

中才は縁に出会ってこれを活かさず

大才は袖振り合う他生の縁もこれを活かす

才能のない人は、ご縁があっても気づかない、普通の人はご縁に出会っても、それを活かすことができない。優れた才能を持つ人は。ちょっと袖が触れ合うだけでもこのご縁を活かすことができる。苦手な友人も、クレーム相手も、お客様も、自分から関わってみると思いがけない展開を生むことが多くあります。新しい扉が開くかも知れないのに、それを自分から遠ざけてしまうなんてもったいない。身近にある人間関係を大事にしてほしいのです。恐れずぶつかってみて下さい。そしてそこから得られるご縁をぜひ大事にしてくださいね。「恐れずにぶつかれるか?」が鍵!

愛はブーメラン、まずは自分から!

人との関係の中で、いつも私が心がけているのは、「まずは自分からかかわること」まず、自分から自己開示です。私たちはどうしても、人に与えることよりも、人からしてもらうことを求めてしまいがちです。自分から声をかけるより、声をかけられたいし、誰かに見留められたい。でも、相手の行動はコントロールすることができません。ですからまず、自分が人に対して発信することです。「愛はブーメラン」、まずは自分から。自分が与えたものは、いつか自分に返ってきます。特に苦手な人とは、なかなか上手にコミュニケーションを取れない人が多いと思います。でもそうすると、ますますかかわりが減るという悪循環に陥ります。苦手な人にこそ、まずは自分から声をかけてみて下さい。楽しく話す必要はありません。まずは自分から挨拶してみる。これだけでいいので続けてみて下さい。

人って関わってみないとわからないもんなんです。

「愛はブーメラン!まず自分から関わる!」苦手な人ほど自分から声をかける。楽しく話す必要ななし。ひとは関わってみないとわからないもの

言葉の始まりは必ず「Yes」から~「Yes&の法則」

会話をするときに相手の話に答える最初の言葉を必ず「Yes」で返すことです。私たちは、相手と意見が食い違うと、「でも」や「いやいや、そうはいっても」とまず否定して戦ってしまいがち。ここでもポイントは、相手に同意することではなく、「Yes」で反応し、「相手の感情を丁寧に扱う」ということ。まず、相手の気持を受け止めることから始めましょう。

私は、「Yes」で返答することにしました。「そうですよね。すごく期待して子供さんが英語が話せるようになると思って、数あるスクールから投稿を選んでくださったんですよね。それなのに、思うように成果が上がらなかったらがっかりしますよね」と、まずはお母さんの気持ちを受け止めます。ここで大切なのは、相手の感情を丁寧に扱うこと!相手の主張が正しいか否かではありません。その後さらに、「電話だけでなく、わざわざここまで足を運んできてくださって、本当にありがとうございます」(ありがとうファースト)と付け加えました。そのお母さんも怒りが少しおさまって、心の扉がちょっとだけ開きました。その時初めて、私はこう言いました。「お母さん、実は英語を習得するのって、やはり時間がかかるんですよ。」正しさを伝えるのは、相手の気持を受け止めたあとでいいんです。どれだけ正しいことを言おうとしても、人は心が開く前には相手の言葉を受け止めることができません。「Yes」で相手の話を見留め、相手の感情を丁寧に扱い、ありがとうファースト、そして本題(正論)

普通はその気持をまっすぐに伝えるのではなく、怒りをぶつけてきます。だから、まずは「期待して買っていただいたのに、がっかりさせてしまい申し訳ありません」と根底にある気持ちをYesでしっかり受け止めて下さい。クレーム客こそ本当のお客様ともいいます。

この章のまとめ

1.憶測と事実を区別して考える

2.愛はブーメランなので、はじめに自分からかかわる

3.会話の始まりは「Yes」で肯定し、相手の感情を受け止める

Voice2 自分から歩み寄り、苦手な上司との関係を克服

4年ほど前から直属の部長を務めるその女性は、気分に波がありました。部長が私のことを嫌っていることがわかるので、私も話しかけづらく、できるだけ関わらないように距離を置くようになりました。その態度を部長が感じ取り、余計に「可愛くない部下だ」と当たりが強くなってゆく、まさに悪循環に陥っていました。突破口となった言葉は、「愛はブーメラン」でした。愛情は自分から与えること。自分の損得を抜きにして、自分から与えれば、それは必ず戻ってくる。私は部長に歩み寄り、素直になろうと決心しました。懐に入ってきた部下を拒絶する上司はいない。苦手な人にぶつかってゆくのには、かなりの勇気が必要です。でも、会社に勤務する以上、上司との関係は切り離すことができません。「部長、ちょっとお話があるんですけど・・・・」「最近、ゆっくり話していなかったので、少しお話できませんか?」部長の硬い表情に怯むことなくそう伝えました。部長は姉御肌で、年下に頼られるのが好きなタイプです。部下としての立場を意識するように心がけました。これまでの自分の態度を謝罪し、仕事ではまだまだ至らない点が多々あること、思うように成果が出せていない点を認め、正直に伝えます。どれだけ性格が合わなくても、自分から懐に飛び込んできた部下を拒絶する上司はいないのだとホッとしました。愛はブーメラン。人間関係を良くするのも悪くするのも、自分の行動ひとつなのだと実感しています。

第5章 感情と上手に付き合う

第1章で、感情のパターンの違いについてお伝えしました。パターンに気づけば、自分の感情とうまく付き合えるようになります。また、人の感情のパターンがわかれば、人に影響を受けない選択ができるようになります。この章で特に取り上げたいのは、「怒りの感情」と「失敗したときの感情」。仕事をしていると、特にこの2つの感情に翻弄されることが多いのです。

みんな自分の機嫌で怒ったり、怒らなかったりしている。→怒っているのは相手の問題(機嫌)で、自分には関係ないこと。相手の怒りは相手の問題。振り回されない。→課題の分離

怒りは自分で決めている

怒りはとても大きなエネルギーですから、ぶつけられた方もぶつける方も疲弊してしまいます。(怒りの感情は、普段の4倍のエネルギーを使うのだそうです!)。ただ、怒りも大事な感情の1つ。怒りが世の中を変えることもありますから、悪者にせず上手に付き合ってほしいと思います。

実は、怒りの原因は相手でも環境でもありません。怒りは自分で決めているのです。つまり、同じ状況でも、起こる場合と怒らずにいられる場合がある。また、怒ってしまう人もあれば、怒らずにいられる人もいます。

相手が怒っているのは、あなたが相手を怒らせているのではなく、相手があなたの言動や行動に”勝手に”反応して怒っているのです。単純に機嫌が悪くて八つ当たりしているときだってあります。怒っているのは相手の問題。この区別ができるようになると、周りからのネガティブな影響を受けにくくなります。

相手が怒っているのは相手があなたの言動や行動に勝手に反応して怒っている。起こっているのはあなたではなく相手の問題。課題の分離。

ここで、私たちも相手の言動に、どう反応するか選べることも知っておいてくださいね。「気になるなら自分で干せばいいじゃない!」(怒りで反応)「そうか、この洗濯物の干し方が気になるんだね(見留めるで反応)相手の怒りとの区別をすれば、自分の反応を変えることさえもできるようになります。怒りに怒りで返すか?怒りにその怒りを客観視することから入るか?見留めることから入るか?自分で選べる。

怒りの裏の気持ちとは

心理学の世界では怒りは「二次感情」と呼ばれています。つまり、突然でてくる感情ではなく、その裏には、(感情の裏には)必ず本当の気持ち、「一次感情」が隠されているのです。怒りの裏にある一次感情とは、期待・心配・悲しみです。(細かく挙げたら他にもありますが)。

怒りの裏側にはそういった感情が隠れています。誰かに対して腹が立ったり、いらいらしてしまったときは「あぁ、自分はチームメンバーに期待しているんだな」「必要とされてないと感じて悲しいんだな」と手前にある気持ちに気づいて下さい。そして、その感情を見留める。それができるようになると、相手に怒りをぶつける代わりに、本当の気持ちを上手に伝えられます。

感情はぶつけるものではなく、伝えるもの。

見つかれば、「洋実!こんな時間に何やってるの!」という怒りの声が飛んでくるに違いありません。ところが母の第一声は違っていました。「よかった!帰ってきて」と怒りをぶつけるのではなく気持ち(怒りの一次感情)を伝えてくれました。母が、私のことを心配する気持ちが伝わったことで、私は心から母に悪かったと反省し、素直に「ごめんなさい」と、謝ることができました。思春期です。もし、あのとき、母に怒りをぶつけられていたら、きっと「うるさいよ!これくらいみんなやってるよ!」と言い返してしまったでしょう。怒りは受け取りにくく反発を生みますが、本当の気持ちを伝えられれば相手を大切にしている思いが伝わるのです(これも存在承認)。安心感が人を動かすのですね。

身近な人ほど怒りを感じる

弟はラグマットの上に座り、ジュースを飲み始めました。と次の瞬間、なんと、うっかりこぼしてしまいます。「何やってんのよ!洗ったばっかりなのに!」と怒りませんか?

では、もし、あなたの家に来て同じことをしたのが憧れの有名人だったら?きっと怒らずに「いいですよ」と許し、さらには「洋服は汚れていませんでしたか?大丈夫ですか?」と気遣うのではないでしょうか。「ラグマットにジュースをこぼしたという事実は同じでも、長年一緒に育ってきた弟だったら怒ってしまう。

これを私は「怒りのバーが上がる(怒りやすくなる)」と呼んでいます。怒りのバーは、家族など自分に近い存在ほど上がり、遠くなるほど下がります。

会社でも同じでしょう。直属の上司、一緒に働く同僚・後輩など、身近な人ほど怒りを感じるはず。なぜならそれは、存在が近い人ほど「期待」が大きいからです。怒りの感情を、一気にゼロにすることはできません。でも、これまで説明してきた怒りの原理を知っていれば、少しづつ減らすことができます。自分の怒りの裏にある感情を見留め、怒りを「ぶつける」のではなく、その気持を「伝える」ように意識してみて下さい。

いつも自分をご機嫌に

怒りの感情は自分が決めていると、お話しましたね。相手の感情や行動は変えられないのですから、なんとかするのは自分の感情です。常に自分の感情を丁寧に扱うこと。怒りの反応が起きにくい状態を作り出しておくこと。つまり、自分を常に「ご機嫌にしておく」ということが、自分でできる方法です。自分の機嫌は自分で取る。そうすると心に余裕ができて怒りのバーが上がりにくくなりますし、落ち込むことがあっても、すぐに元気な状態に戻すことができます。許せることも増えるはずです。

人間なので、機嫌の良い日もあれば悪い日もある。誰かがあなたを元気にはしてくれません。私は落ち込んだとき、何か嫌な流れを断ち切りたいときに自分をご機嫌にする、元気にする「スイッチ」をいくつか持っています。例えばネイルサロンに行くこと、またきれいなお花を買うこと。

皆さんにも「これをすれば自分が元気になる」ってことってありませんか?そういったスイッチをいくつか持っておくと、落ち込んだ気持ちを早くもとに戻せるようになります。

怒りや不機嫌は人とのコミュニケーションを遠ざけます。そこからミスが生まれたり、マイナスのスパイラルに陥りやすくなったりします。自分の気持ちを丁寧に見留め、落ち込んだときこそ、上手に元気な状態に戻せる。これができれば、仕事のみならず、生きてゆく上での強みとなります。

失敗から復活する3つの方法

大リーガーのイチローだって打てない日があるように、どれだけ優秀な人でも失敗してしまうことはあります。失敗すると、自分のダメさに落ち込んでしまいますが、ここからはそのマイナスの感情から復活する方法をお伝えしてゆきます。

(1)感情の成仏(見留める)

延々と一人反省会を頭の中で繰り広げていませんか?常に過去に向けて原因を探しに行きますよね。もちろん反省も大切です。でも過ぎたことは変わりません。まず、「失敗して落ち込んでいるな、私」「仕事ができない自分がほんと情けないよね」と自分の感情を見留めてあげてください。こうして見留めることを私は「感情の成仏」とよんでいます。ネガティブな感情ほどしっかり見留めて成仏させてあげてほしいんです。感情にいいも悪いもありません。ネガティブな感情ほど、しっかり見留めて成仏させてあげてほしいんです。感情を客観的にみる。「今、私は〇〇している。」

(2)失敗したときの「なんで?」はNG

うまくいかなかった時の「なんで?」はNGです。悪気なく、失敗してしまったことに対

して、「なんで?」と責めても、理由なんて殆どないのです。

過去に向かって「Why?」と責めるのではなく、「どうしたら次は失敗しないかな?」「い  つまでならできる?」と未来に向かって「How」で投げかけたほうが発展的です。

(3)人生は成功か学びしかない

もう1つ、大事なことは、「起こった出来事をどう捉えるか?」です。事実は一つですが  捉え方はプラスとマイナスの2つあります。

「あぁ~自分はなんてダメな人間なんだろう」と思って落ち込むか、「これが今の自分の実力だから仕方がない。次はうまくいくように頑張ろう」と思えるか。

起こった事実は1つです。それをどう受け止めるかによって未来は変わります。起こった出来事は変えられません。でも、その意味づけは変えることができます。

ある日、実験の失敗を嘆いた助手に対してエジソンはこういったそうです。「それは失敗じゃない。その方法ではうまくいかないことがわかったという、成功なんだよ」このことからエジソンは「失敗は学び」であることを教えてくれます。

失敗を糧にして自分の成長に繋げられるか、そのまま落ち込んで力を発揮できないまま終わるかは、自分の捉え方次第です。また、無難な仕事や無難な方法だけで日々を過ごしている人は、失敗もないけれど、成功もありません。失敗したということは、挑戦したということです。頑張って挑戦した自分に丸印をして(経過承認)、腐らずに努力を続けてくださいね。

この章のまとめ

1.怒りの裏には「期待」や「心配」など本当の気持ちが隠れている

2.いつも自分にご機嫌でいられる工夫をする

3.失敗に「なぜ?」は不要。無駄にせず次の手を考えて

Voice3

1.「なんで」を言わない

「なんで?」と攻めたところで、期待するような答えは帰ってこないことに気が付きました。「なんで?」ではなく、「どうしたら次はできるかな?」とその先につながる質問をするように心がけました。

2.相手の話をまず「Yes」で受け止める

「ピカピカにしてくれてありがとう」そうやって「Yes」で相手の行動を見留めたあと、「ただ、ここがもう一歩だったから、次はもう少し綺麗にしたいね」と伝えたのです。

3.「ありがとう」を伝える

私が実践した3つのコミュニケーションは、すべて相手に対する「存在承認」です。それだけで、人と人との関係性はこんなにも変わるものなのです。そしてもう1つ、成功したポイントは地道にコツコツ続けたことだと感じています。継続は力なり。その言葉を今、かみしめています。

第6章 今の自分とうまく付き合う

人生を振り返ったときに、よかったことが6割、「そんな事もあったね」というくらいのことが3割、人生の暗部にも思えることが1割なのだそうです。私にとって、ママコーチをスタートした時点では、それは嫌な1割でした。でも11年たった今では良いことも6割に入っています。つまり今、自分にとっての「✕」が未来もずっと「✕」とは限らない。私のように「○」になることだってあるんです。

 

コントロールできることと出来ないことを区別して考える

仕事ができる人には共通する特徴があります。それは、「環境や人のせいにしない」こと。同じ環境の中でも、成績を上げる人と上げられない人がいる。その違いは「マインド(心、精神、意向、考え)」の違い。自分自身と向き合わずに、人と環境の文句を言う方が楽です。でも、そういう人はなかなか現場を打開できません。世の中には、自分でコントロールできるものとできないものがあります。置かれた状況など、自分の力ではどうしようもないことをコントロールしようとすると、苦しくなる。そんなときこそ、どんな些細な行動でも、自分のできるところから始めてみる。変えられるのは、自分と未来だけなのです。

「今できることは何か」を考える

人や会社のせいのせいにするのは簡単ですが、そこから発展的なものは何も生まれません。仮に転職しても、自分の思い通りの仕事に就ける保証はないのです。どこに行ったって、苦手な人はいるし、100%の環境なんてない。パラダイスなんてないのだから、この環境を改善するために自分ができることは本当に全部やりきれたのかを考えてみてほしいのです。

まずは行動を起こすことから

やりたい仕事が見つからない、という人にはとにかくなんでも「まずやってみる」ことをおすすめします。なぜなら、経験から見えてくること、分かることのほうが遥かに大きいから。みんな、成功体験や失敗の体験を積み重ねながら自分の道を進むのです。今の仕事だけでなく、社外の活動やプライベートの中で色々道を模索してみるのもいいと思います。大事なのは、はじめからホールインワンを目指さないこと。少しずつ、理想の形に近づいていけばいいのです。

この章のまとめ

1.今の「✕」は自分次第で未来の「○」にできる。

2.過去と他人は変えられない。変えられるのは未来と自分。

3.経験から適正を見つける。最初からホールインワンを目指さない。

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