【祝1周年】「うつわと雑貨のお店minamo」がオープンして1年が経った今だから話せること
うつわと雑貨のお店 minamoのハヤシです。
2023年8月7日をもちまして、minamoが始まってちょうど1年が経ちました。
自分たちにとって、初めての商い。
何もないところから100%自己資金での挑戦。
知名度は皆無の2人。
お店を始める前は勿論、始めてすぐの頃には1年も続けられるなんて思ってもみませんでした。
応援してくださった皆様。足を運んでくださったり、オンラインでご覧くださるお客様のおかげです。
1周年の節目でもありますので、お店をはじめた経緯と、これまでほとんど誰にもお話してこなかった、オープン前の2年間についても書きます。
少し長くなりますが、もしよろしければお付き合いください。
「いつか、一緒にお店やろう」
そう私がパートナー(現在は妻になりました)に伝えたのは、東京のとあるコーヒーショップ。
東京で勤めていた会社を辞め、地元京都へ引っ越す前です。
当時の私と妻は心身を酷使する毎日を送っていました。
生活を省みる余裕も当然ありません。
京都で2人暮らしをはじめてからは、ゆっくり何かを取り戻そうとするように生き直しを始めました。
買い物にいき、料理をして、夜はきちんと眠る。
お互いの話をする。生き方について考える。
当たり前と言われるかもしれませんが、ボロボロになり、どのように生きていきたいのかもわからなくなってしまっていた私たちにとっては、非常に大きな経験。
今思い出しても、時々戻りたくなるほど素敵な時間を過ごしました。
minamoをやろうと決めたのも、この頃。
私たちは喫茶店や自宅でminamoのアイデアを話して「いける!やろう!」とワクワクしていました。
準備は少しずつでも着実に進み、いよいよやっていくぞと思った矢先。
妻が身体の激痛を訴えました。
お店のことは、一度忘れる
脚にはアザがあり、日に日に増え、痛みも増していきました。
下半身や指の痛みで、夜も眠れず、涙を流して苦しむ妻。
生気が消えていき、薬でボロボロになっていく姿。
様々なお医者さんに診ていただきましたが病名や治療法はついにわかりませんでした。
できることはできる限りのことをして、少しでも痛みを緩和すること。
一生歩けなくなることも覚悟しました。
妻が私に、震えて涙を流しながら「自分はいない方が良いんじゃないか」と絞りだすように言った時のことを、私は一生忘れません。
自分がすべきことを考えた結果、妻と一緒に笑顔になれる瞬間を、ひとつでも増やすことに全てをかけると決めました。
2人は、生きることに精一杯でした。
どんな時間も、きっと意味がある
療養に専念して暮らすなかで、まだ症状は残るものの少しずつ回復しつつあった妻は、お店の話を時々口にするようになりました。
とはいえ、まだお店のことを進めようとする力は私たちにありません。
「この時間にはきっと意味がある」「1日1日を大切に生きよう」と励まし合いました。
もちろん病はとても苦しいもので、もう同じ様なことが起こってほしくはありません。
一方で自分と向き合うことや、お互いを大切にすることを深く学ぶ大きな意味のある時間でした。
minamoのテーマである「暮らしを楽しむことから豊かさが生まれる」は、こうした時間を過ごして、自然と見つかった言葉だったと思います。
自分の人生を、自分で楽しみ生きよう。
そんな強い意志を込めました。
ついに、2年越しにオープン
そして2022年8月7日、お店がオープンを迎えることに。
当日には昔からの友人や、京都の知人が祝いにきてくれました。
もちろん喜びはありましたが、私の場合、安堵の気持ちが最も大きかったです。
それまでの道のりを思うと、2人でこうしてオープン日にお店に立つことができて本当によかった…と。
私たちがお店をオープンできたのは、作家の皆様のおかげです。
場所や机を用意することはできても、作品がなければ、ただの空っぽな部屋になってしまいます。
お店がまだ影も形もない時に、どこの誰かもわからない私たちを信用して、快く作品の制作にとりかかってくださった作家の皆様。
お話をした時の皆様の表情や言葉が、前に進む勇気をくれました。
改めて、本当にありがとうございました。
minamoの次の1年に向けて
私たちにとって、お店をオープンしその後の企画運営や商いの経験は、たくさんの失敗や力不足はあれど、全て含めてとてつもなく大きな経験であり自信にもなっています。
これからもっと視野を広げてアレコレ考えながら、皆様と一緒に暮らしを楽しむ、人生を楽しむことができたら最高だと思っています。
不安も多い世の中。
どうしても暗い方へ目が向いてしまって「楽しむ」気になんてなれない日もあるでしょう。
もちろん、私たちにもあります。
突然、病に倒れてしまうかもしれない。
商いが続けられなくなるかもしれない。
自分はなんでこうなんだろうと沈む時がくるかもしれない。
どうしようもなくつらい時には一度立ち止まって心身を休めることも必要にもなるでしょう。
大切なのは楽しもうとするココロを、遊びゴコロを完全に捨ててしまわないこと。
それさえできれば、もう一度、前を向くことができたり1日のなかでふと楽しい気持ちになれるんじゃないだろうか。
私たちがその姿を少しでも見せられるように、これからも楽しむことを大切にして生きていきます。
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