はるみちゃんがいた日々
今から7年ほど前のこと。
店の前の小道で、地域猫のファミリーがくつろいでいる光景を頻繁に見かけるようになった。
どうやら午後になるとそこで遊ぶのが日課になっているようだったが、しばらくしたある日、見慣れない子猫が一匹増えていることに気づき、目を瞠った。
まだあどけない様子のちいさな子。つい手懐けたくなるけれど、いきなり近づけば、猫攫いの変質者として親猫を警戒させてしまうだろう。
まずは怪しまれないくらいの距離で、危害を加える意思がないことを認識してもらい、次は数十cm近くへ。