審査員賞予選通過句 うつスピ② 鶴亀杯
実は各審査員には「12句予選通過句を選んでください」という風に頼まれており、
私の選んだ予選通過句についても触れていこうかなと思いました。
思いとしてはめろさんと同じなので、
記事をお借りして(この記事については省エネで)記事を書くとして、
私の場合は随時審査の上、
印をつけて予選を通過するかな?と思った句は54句ありました。
その中での予選通過句についてです。
それでは7位からどうぞ。
ひかりに蛾ビールにひとの集う夜
しちさんの作品です!
この句をどう評価するか。
俳句を詠む人間としては蛾=夏。ビール=夏と、季語が二つあるということは抑えておきたいところですね。
ただ、私の感じたこの句の魅力は、
「引いた画角での映像」ということです。
カメラを遠くから構えたようにこの句が見えてきました。
街灯の光に蛾が集まっていて、
外で飲む人たちはまるでビールに集まっているかのように人が集まっている。
二つの集団が見えてくるわけですよね。
上手い描写だと思いました。
ここで考えるのは、「単に映像として描いているのか」、「メッセージ性が隠されているのか」ということです。
私の感じ方としては、ひかりに蛾が自然に集まってしまうように、
人間も自然にアルコールに集まってしまう。という人間を俯瞰で見た、人間を滑稽だと捉えているようにも感じました。
また、「ビールにひとの集う夜」面白いフレーズだと思いました。
まるで物語がビールを中心に進んでいるかのようです。
ビール会社のキャッチコピーのようですね。
ひかり、ひとのひらがな表記も意図されていて素敵だと思いました!
先ほど記事を見に行ったのですが、イラストも素敵でした♪
あ!私の思っていた画角ではありませんでした!(笑)
これも俳句の面白さですね!
あなたはどんな風に鑑賞したでしょうか?
素敵な句をありがとうございました!
第八位
幻想の海月を胸に飼う君よ
麻生ツナ子さんの作品です!
まず、「海月を胸に飼う」というフレーズ(比喩)が面白いですよね。
海月を心臓に見立てる、という俳句はきっとないわけではないと思います。
でも、「幻想の」ということば、「君よ」というフレーズがいいですね。
私の読みでは、
ふわふわと漂っていて、それでいてはかなげな君を、心臓や生命感を海月に見立てた句だと思いました。
不思議な生命感の君が見えてきました!
こういう大きな比喩を用いた句は、どんな君なのか、
それぞれの感性で感じて感じましょう!
素敵な作品をありがとうございました!
第9位!
太陽の恋封じ込めアイスティー
しろくまきりん🐻❄️ ぷ会企画「ドラマティックな31日」❣️さんの作品です!
恋を詠んだ句で、今回一番好きでした!
「太陽の恋」この気持ちよい言い切りがこの句の魅力ですね!
胸に情熱を秘めながら、「アイスティー」という冷たいものとの対比が素敵でした!
「太陽の恋」という力強い言葉、
それを封じ込める「アイスティー」との熱さと冷たさの対比。
これが効いていたのと、
なにかこう、本当はものすごく好きなんだけど、
まだそれを伝えちゃうと関係性が変になりそうだから素知らぬ顔で過ごす、
好きな人とのデートかデート未満の一日を過ごすカフェ。
みたいな広がりを私は感じて、広がりの見える恋の句で素敵だと思いました♪
素敵な作品をありがとうございました!
第十位!
プラごみがプリズムとなる初夏の朝
Reiko Ishidaさん(俳号 佐久良花さん)の作品です!
実景として、プラスチックのゴミが、プリズムめいて見えた初夏の朝。
気持ちいいですよね。
あとはこの句は読んだ通り、韻の良さ、「プラごみ」「プリズム」の韻の良さがあります。
そして、リサイクルをしたのでしょうか。分別した後の心もプリズムめいて光って見えるような素敵な句だと思いました!
ありがとうございました!
第11位!
一等星と手をつないでるスターマイン
友音さんの作品です!
この句は、「具体的に描いている」ことが成功していると思いました。
多分、「花火×星空」は、綺麗なのでみんな描きたくなる題材だと思います。
そんな時は、他の人が発見しないようなことを「具体的に描いてみる」と、
オリジナリティのある素敵な俳句になることが多いと思います。
「星空」ではなく、「一等星」。一番強い光が見えてきますね。
手をつないでる。「飛んでいく」と言わず、「手をつなぐ」ということで擬人化されてオリジナリティを獲得しています。
スターマイン。調べると花火のことでした。
この名前もいいですよね。
スター(星は)マイン(俺のもの)(意訳。英語は苦手です!)
スターマイン(星は俺のものだ)なんて名乗る強気なきっと大きな花火が。
・・・はいごめんなさい!嘘です。調べていて判明したのですが、
スターマインとはこんな意味です。
スターマイン
多数の小規模~中規模程度の打ち上げ花火を絶え間なく連続して打ち上げる花火。仕掛花火の一種。
「スターマイン」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
いろんな花火が、連続で星空の一番明るい一等星を目指して手をつなぎにいっているように見えるって素敵ですね♪
素敵な句をありがとうございました!
第十二位!
紫陽花よ七分の六信じてる
ジーナン・ドトゥさんの作品です!
人を信じることって、これぐらいのバランス感覚が、本当にその人のことを信じることではないのかな。と思いました。
嘘をつくかもしれない。信じるって、なんだろうと考えさせられる言葉です。
紫陽花の花言葉は色が変わることから、移り気等もありますね。
その中で、人間の心の割り切れなさを描いた素敵な句だと思いました!
素敵な作品をありがとうございました!
ありがとうございました!
解説なんて本来要らないとは思いますし、
みんな5・7・5で勝負するわけですし。
解説文が長ければいいという訳でもないです。
(自分だけ短い等は思わないようにお願いします。※私ならきっと思うと思うんです(笑))
分かりやすい素敵な俳句に解説はいらないのではとも思ったり、いろんなバランスの上で一人一人への文章量、この記事になりました!
素敵な俳句をありがとうございました!
愛を込めて!