新緑はきっと偶数かもしれぬ??
定期的にバズっているみたいなので、
俳人として参戦します。
①(新)俳句とはなにか?
おーいお茶俳句は、
一次審査で一句あたり2~3秒ほどで選句しています。
発見のある・意外性のある句が選句に残りやすいということは覚えていて損はないと思います。(あくまでこの意見は私の主観です)
例 カレーに肉を入れる
カレーにじゃがいもをいれる
カレーにチョコレートを入れる
まず、選者の「お!」という枠に入るのが大事。
カレー=○○ で材料に最初に思い付く枠に入っているような言葉の連想値が近い(※連想値という言葉はないかもしれませんが、
私の中では連想値です。)(※言葉がイメージと近い)俳句は、
選句の網からこぼれてしまう傾向にあります。
新緑はきっと偶数
新緑で考えてみましょう。
新緑 みどり
元気がある
夏のエネルギー
偶数かもしれない
選者の「おっ」という枠に入ったものと想像します。
ご応募いただいた作品を、のべ200名以上の現代俳句協会員の俳人の皆さんが、1句1句丁寧に審査して約20,000句に絞ります。二次審査会では、一次審査員とは異なる15名が、作者名を伏せて、1句あたり3名以上が審査して約10,000句に絞り込みます。
約20,000句に絞るところは2~3秒で一句を選ぶわけですが、
その後は3人の目で選んで絞っていますので、
その3人の目から見て、
発想がいいな、という俳句である必要性があるのではないでしょうか。
そもそもですよ。
分からない!
でも賞に選ばれているのだから何かあるはず!
と思ってあなたはこの句についてつぶやいたり、
検索しているわけですよ。
その時点で、この句の「勝ち」なのだと思います。
ここで、
「言葉の持つ連想力の一つ先と響き合わせる」
という視点も持ってみましょう。
偶数、
2で割り切れる整数。
(言葉の定義を検索)
普段なら、ここで分かる!このあたりを響かせようとしているんだな!
と思うこともあるのですが、
・・・・私には、
この新緑という季語と偶数という概念を合わせようとした意図が分かりませんでした!
だから、
偶数という概念は数えていくときに発生したものであり、
新緑の数を数えてみようとしたというところに魅力があると考えました。
この句の面白さは、
新緑のみどりの多さを数えようとしたところにあると捉えました。
だから、葉っぱの枚数と補って読みました。
新緑はきっと偶数かもしれぬ
新緑(の葉っぱの枚数)は(数え切れないぐらいあるけれど)
きっと偶数かもしれぬ(でもわからないけど)
そう考えると、 きっと かもしれぬ
と言い切らなかった、言い切れなかったことも魅力に思えてきました。
数え切れるものだったら、この句の魅力は無いわけです。
この子犬の毛の数は偶数かもしれないね。
星の数はどうだろう?奇数かな?偶数かな?
俳句は、新俳句は、
みんなが考えない視点を詠み込んだ句が残る傾向が1つあります。
私が選者なら、
新緑を数えようとした作者の視点に選を入れている(選んでいる)と思います。
と捉えましたが、
俳句は17音。それが正解か不正解かなんてわかりません。
17音では言い切れないのが俳句の魅力です。
仲間の俳句が集まる会、句会に行っても、
同じ句に対して、
それぞれいいと思う度合いが違ったり、
捉えている鑑賞が違っている、
それが日常的にあるのが俳句の魅力だと思っています。
ということを考えました。
何か鑑賞が気になる俳句があれば、
一生懸命考えますので、
コメントがあれば鑑賞するかもしれません!笑
(期間限定・私のうつの状態と機嫌がいい時限定)
本当は、いろんな意見が出てくるのが素敵な俳句界だと思っています。
PS
作者の弁読みました。
池田さんによると「新緑は偶数」の意味は「安定」との回答を得た。この句は二〇一九年五月中旬、田植えが終わり一息ついたころに、妻とドライブに出かけたときに思い付いた。勝山市の自宅から中部縦貫自動車道を走っているときに広がる新緑に癒やされた。「新緑の癒やしは安定している」と思った。三十年以上連れ添った妻がおり、車内は安定した二人の空間があった。そしてふと「机の脚や車のタイヤ、電車の車輪と安定している物は偶数。癒やしが安定している新緑も偶数なのではないか」と考え、句にした。池田さんは「一人では浮かばなかった」という。
蛇足と知りながら、
私はここに言葉を付け足します。
私は句会で何度も、
自分の句に対してですよ、
作者の思いを語ったとしても
その語りは余計だった。と言われたことがあります。
やはり、17音で描いていることがすべて。
いろんな想像が広がっていくのも俳句の魅力なのではないでしょうか。
ということで、
この記事を読んだうえで、
この作者の思いまでは伝わっていない。
新緑を(のいろいろな緑のはっぱの数を)
数えようとした着眼点に俳人の選が入った、
が結論だったのでは、に一票を入れます。笑
同じ句に対して、
いろいろな意見が出ることが俳句の魅力だと思っているので、
私自身の鑑賞として参戦しました。
愛を込めていますが、
どうでしょうか。
この記事をどうするかも迷っています。
愛を込めるというのは、
バズったものに乗っかりに行くことに共存するのか。
私の立ち位置が、
noteの中で俳句に出会った人向けで、
グーグル検索用に出来ていないです。
私の記事で俳句っていいなぁ・奥深いなぁって思ってもらえるのか。
分かんないです!
まず、うつから回復したいです!
でも俳句っていいなぁって思ってもらいたいです!
本当は有名になんてなりたくありません!
ひっそりと、それでも俳句のために行動して、
うつから回復していきたいです!
私の今の心境は、
きっと奇数かもしれません!笑
割り切れません!笑
愛を込めて。
2024年6月7日22時20分追記
作者の方が言う、「偶数は安定」という思いを汲み取り、
私なりにアンサーの句を作りました。
うつ病の奇数の心ハンモック うつスピ
うつ病の中で、不安定な私が揺れている姿が見えて来たでしょうか。
きっとこの新緑の作者の方も俳句を楽しんでいる先輩ですし、
私も俳句を楽しんでいて、
この記事を見てくださったかたも、
俳句って楽しいなぁって思っていただけると嬉しいです。
愛を込めて。