UXデザインプロセスのちょっぴり細かい話〜後編〜
前編は、UXデザインプロセス全体のお話と、正しくものをつくるための前半パートである、ビジネス要件定義、ユーザー調査・分析、モデリングのお話を書きました。
後編では、いよいよ実際に正しくものをつくるパートに入っていきます。
5. バリュープロポジション
ユーザーのモデリング(ユーザー像の明文化)が終わったところで、最初のデザインである価値のデザインをしていきます。
ユーザー調査・分析、モデリングをしている間は、ただひたすらユーザーのことを考えますが、価値のデザインの時は、ビジネスとして成立するのかも、合わせて考えます。
狙うべき提供価値は、ユーザーと自社(受託の場合はクライアント企業)が共に価値を得られるところ、且つ、競合他社より優位に立てるものです。
6. ユーザー体験設計
ユーザー体験設計もいろいろやり方はあると思いますが、私は構造化シナリオ法をベースに、抽象度の高いものから具体的なものへ、順にデザインをしていっています。
一番抽象度の高い価値のデザインができたら、再びユーザー目線に戻って、今度は、ユーザーの行動のデザインをします。設定したペルソナになりきって、それぞれのシーンの何をしている時に、何を考え、どう動くのかを考えていきます。
ペルソナと私は別の人物なので、ペルソナから離れないよう、注意をしながら進めていきます。
インタラクション名を伏せた状態で行動のデザインがひととおり終わったら、それに沿って、インタラクションのデザインをします。この時も、ペルソナから離れないよう、充分注意をしながら進めていきます。
7. プロトタイプ作成
インタラクションのデザインが終わったら、プロトタイプを作っていきます。プロトタイプも、ワイヤーフレームの紙芝居的なものから、実際に動くものまで、種類はいろいろあります。
プロトタイプの後のフェーズはデザインしたものの検証です。どういったプロトタイプをつくるかは、何を検証したいかによって決めます。
8. ユーザー評価
プロトタイプを作ったら、実際にユーザーに触ってもらって、デザインしたものを評価してもらいます。
事前インタビュー → 検証 → 事後インタビュー
上記の順番で行いますが、それぞれの設問を事前インタビューに入れるのか、事後インタビューに入れるのか、設問設計の際は、かなり迷います。入れるタイミングによっては、先入観を与えてしまったり、誘導をしてしまう結果になるので、充分な検討が必要です。
ユーザーに評価をしてもらったら、レポートとして提出するかはさておき、結果をプロトタイプや実際のデザインに反映させます。
理想を言えば、何回かプロトタイプ修正とユーザー評価を繰り返すのがベストです。
とは言え、リクルーティングにある程度時間がかかりますし、人件費含めお金がかかりますので、どこまで融通がきくかは、案件によります。このあたりは苦労されている同業の方も多いのではないでしょうか?
いかがでしたでしょうか。
UXデザインプロセスを、ちょっぴり細かく話をすると、こんな感じになります。