大辛との一期一会
子供の頃、レトルトカレーコーナーでポケモンカレーや仮面ライダーカレーを選んでいた時にふと、目の端に写っていたものがありました。
辛口のまた1つ上、大辛の「咖喱屋カレー」です。
父や母が中辛のそれを食べていたので、目がいったのでしょう。
ではなぜ、「大辛」に目がいったのか?
当時もCoCo壱番屋などで「10辛」などと辛さに数字をつけて評価する仕組みがあることは知っていました。ただこれでは、数字を大きくし続ければ天井知らずになってしまいます。
その点、大辛はあくまで中辛に対する上位互換という位置付け。どれくらい辛いのか、それを伏せた上で、「大辛」を名乗れる企業の意地に感銘を受けたのかもしれません。
もちろん当時はただの語感の良さから気に入っていただけだと思いますが。
しかしよく考えてみると、「甘口→中辛→辛口→大辛」って不思議な並びですね。甘口は辛口と、中辛は大辛と対応しているのに、それぞれ互い違いになって並んでいる。まるで日本史で習った、平家と源氏が交互に天下を取る流れみたいです。
こんなふうに僕は「大辛ってなんだろう、どれだけ辛いんだろうか」と興味を持ちつつも、食べることができずにいました。そんななか、先日、ドラッグストアを散策していたときに、値下げコーナーに並んだあの黒い「咖喱屋」の文字を見て、積年の思いがまるでダムが決壊したかのようにとめどなく溢れ出して、どうにかして大辛を食べたい、であればたくさんの大辛を集めなければ、という衝動に、掻き立てられたんですよ!
ふう。失礼しました。
というわけでこの出会いを皮切りに、大辛探しの旅が幕をあけることになりました。この頃の僕は、ことの過酷さに全く気づいていなかったのだと、のちに知ることになります…
試しにいくつかスーパーに寄り、探してみます。
が、大辛のレトルトは咖喱屋カレーしか見つかりません。
ネットで調べると大辛が売られているブランドもいくつか出てきます。
ボンカレー、あじわいカレー、銀座カリー。
どれも甘口や中辛はごくごく普通に置いてあるのに、大辛だけない。
大辛に対する世間の目が冷たすぎるのでしょう。
大辛の熱さが、情熱が、大半の人には胡散臭いものだと思われてしまっているのかもしれません。
というのは冗談で、やはり辛すぎて万人受けしないので、売れないのが原因でしょう。家の近くのスーパーはほとんど回りましたが、大辛にはついぞ1種類しか出会えませんでした。
そこで少し行動範囲を広げて、最寄りのイオンに行ってきました。
この前記事にもしたやつです。
「イオンならありそう」という根拠のない期待があったのは言うまでもありません。完成度の高いラインナップをオールウェイズ出してくれるイオンに過度の期待を寄せつつ、来店すると…
ついに発見!!!!
「ボンカレーゴールド 大辛」
出会った時は思わず息を呑みました。
出会える機会がまずないので、遭遇すると一期一会の感動があります。
今度は大学付近のスーパーをぐるっと回ってみます。
北部構内をスタートして、東へ、北へ、少し下がって今度は西へ、そこからさらに南へと、京都市北部をぐるっと周遊するようにルートを辿ると、なんと11ものスーパーを通ることができます。期待に胸を膨らませ、自転車を漕ぎ進めます。
1、2軒目は不発。
3軒目「ライフ」にて。
なんと…
ボンカレーゴールドの親戚、ついに降臨。
「ボンカレーネオ スパイシー 大辛」
感動で思わずガッツポーズが出ました。
そこからは不発続き。
銀座カリーがいい線行っているんですが (キーマカレーの「銀座キーマ」やハヤシライスの「銀座ハヤシ」なんかがあったりする)、ことごとく大辛には出会えず。
そして最後の11軒目。
グレースたなか、本店。
ついに…見つけました。
「あじわいカレー 大辛」
この日一番の感動。ボンカレーゴールドを見つけた時と同じく、思わず息を呑んでしまいました。
レアな大辛に出会うといちいち興奮する人間になっちゃったじゃないか、勘弁してくれ。
家に帰って母親にこのことを伝えたら、
と言われてしまいましたが、僕はめげません。
残るラインナップは以下の通り。
ハチ食品は業務スーパーでよく見るのででかいとこに行ってみたいですね。
一応オンラインでも買えるみたいですが、なるべく現地で調達したいところ。
残りの売ってる可能性の高いもの (銀座カリー、濃厚ビーフカレー) に関しては、木津の大学農場に程近い「PLANT」という馬鹿デカスーパーに望みを託します。近々農場で田植えをするので、その時に寄ってみようかと。なかったらどうしよう。
目撃情報あれば、どこでも構いませんのでコメントください。
気が済むまで揃えたら、全部の大辛を食べます。ちゃんと。
食レポもしたいし、記事にもします。
楽しみに待っててください。
では。
あなたの力で、僕が何かをなすかもしれません