20241102 雨と髪の毛
雨が降ると髪がボサボサになる。巻き髪は取れる。今日は美容室に行くのになんだか憂鬱だ。
馴染みのお姉さんに前回と同じ様に黒で、髪はボリュームをとって欲しいですと頼む。前まではとにかく明るく、とオーダーしていたのになぁと思う。
派手髪に固執していたのはささやかな社会への反抗と、自分が存在しているという事実を殊更に主張したかったからかもしれない。いま思えば、の話だが。みーんな画一的で反吐が出ると本気で思っていたし、他人とは違う自分を認めて欲しかったのかもしれない。
黒髪になったのは鬱が悪化した時期と重なる。どう足掻いたって自分はそこらへんの石ころと変わらないのだしという諦観に覆われて、衝動のままに髪を暗くした。大きなアイデンティティの変化だった。でも世界はあんまり変わる事もなく、自分も変わらなかった。
髪程度で自分も周囲も変わってたまるか、と今ならわかる。でも見ず知らずの他人からの評価はその程度で確立されるのも事実で。なんだか不思議だなぁと思う。こうやって人は徐々に大人になるのだろうか。痛々しい過渡期だったと、後から定義づけるのだろうか。
でも心の中の幼い私はまだ叫んでいる。「大人振りやがって。社会に迎合しやがって」と。