鬱漫画オジサン

「鬱漫画」とちまたで呼ばれるジャンルが好きすぎるオジサン。 病気としての「うつ」ではなく、読めば読むほど鬱々とした気持ちになる「鬱」漫画をこよなく愛している。

鬱漫画オジサン

「鬱漫画」とちまたで呼ばれるジャンルが好きすぎるオジサン。 病気としての「うつ」ではなく、読めば読むほど鬱々とした気持ちになる「鬱」漫画をこよなく愛している。

最近の記事

「助けてくれる存在」と鬱漫画

 鬱漫画には、しばしば主人公やメインキャラを「助けてくれる(あるいは助けようとしてくれる)人・ペット・死者・団体・機関・記憶・物体等」が登場し、物語の中で重要な役割を果たすことが多い。今回はこの「助けてくれる存在」の機能・役割の分析、そして「助ける」という行為が鬱漫画にもたらす効果について考察を試みる。  そもそもなぜこの「助けてくれる存在」という項目を設けたかというと、多くの鬱漫画においてこの援助の手を差し伸べる者の存在は重要で、物語の結節点、あるいはその後の鬱展開の深度

    • 鬱漫画の系譜ーー具体的に鬱漫画とはどのようなものか?

       ここでは、鬱漫画の系譜について考えたい。要は副題にある通り、具体的に鬱漫画といえばどういった作品を指すのか?という話をしたいがために、まずは何が鬱漫画と人に認識されているのかについての実例を示し、分析のための資料とするわけである。  まず、大型検索エンジンGoogleおよびyoutube上で「鬱漫画」で検索をかけた時にヒットした、近年流行しているランキング形式で鬱漫画を発表しているサイトを対象とした。中でも、アクセス数の多い(=検索の上位に登場する)サイト(2024年1月

      • はじめに――「鬱漫画」の定義をめぐる問題

         近年、「鬱漫画」なるジャンルが世間に新たに登場し、マンガジャンキーら(あるいはマンガマニアら)の心をかき乱している。  よくよく考えてみると、この語の初出や定義はいまだ判然としない。  そこで、ここではわからないなりに、いくつか「鬱漫画」についてわかっていることや考えていることをメモとして残してみたい。  第一に、「鬱漫画」は、近年の新しい言葉であり、かつどうやらweb上で認知されている言葉である。(紙の辞典類には今のところ存在しない。)  インターネット上の辞書には、

        • 鬱漫画偏愛宣言

           一個の怪物が、ジャポンを徘徊してゐる。すなはち鬱漫画の怪物である。ジャポンのあらゆるマンガ好きの狂人達は、この怪物を愛好するために細々としかし確固たる心的同盟を結んでゐる。                         ------鬱漫画編愛宣言