化粧について
私は幼いときからアトピー持ちで、今もそうだ。私の場合、今現在身体中(頭皮、顔、耳、首、胸、腹、背中、足全体、腕全体、手、指の先)にアトピーが出ている。夏場はもう少しマシだったのだが。
そんな訳で、私は昔から化粧をすることに抵抗があった。初めて化粧したのは成人式のとき。といっても化粧の仕方など知らないので美容師さんにやっていただいた。
顔にアトピーがあり、日常的につい手をやって掻いてしまうため、その日はことさら触らないように気をつけていたのを覚えている。
それ以降大学に入ってからも特に化粧はしなかった。スキンケア化粧品は敏感肌用でもつけると痒くなったり、赤みが出たりしてしまうので持ってはいたがしなかった。毎日欠かさずアトピー用の塗り薬を塗るのが習慣だ。
そんな時、仲が良い先輩(女性)から「空木さん、化粧してないの?」と言われた。その瞬間、嫌な予感がした。
「はい、アトピー持ちなので」
「敏感肌用の化粧品あるよ?」
……知ってるが?
「そうですね。でも、化粧したくないので」
「した方が良いよ?」
……じゃあ、あんたが金払ってくれんのかよ。
敏感肌用の物があるのは当然知ってるし、普通の人にもどこのメーカーが自分の肌に合う合わないあるように、敏感肌用のもあるんだわ。
洗顔料で痒くなり、化粧水をつけては肌に赤みが出てまた痒くなるを繰り返した私のために、私の肌に合うスキンケア用品が判明するまでお金を払ってくれるんだろうか? というか私が化粧をしようがしまいがあなたに何か関係あるか?
その先輩とはわりと良好な関係だったが、その一件で自分からは話し掛けなくなった。おそらく彼女はよかれと思って言ったのだろうが、「アトピー持ちなんです」と言った時点で「そうなんだ」で済ませておくべきだろう。自分がアトピー持ちでもない限り。
なので私は今も化粧をしていない。スキンケア用品は色々探しているが、たいていアトピーじゃない人がなぜか「アトピーに効く」と宣伝してるブログや記事がある。アトピー肌の人が「このスキンケア用品良いよ!」って書いてくれている記事を見つけるのは結構大変だ。
アトピーに効く薬と謳っていた商品もいくつか試したが、「ほんとに9○%も満足したのか?」とついクレームしたくなるぐらい効かなかった。やはり一番効くのは皮膚科でもらう薬だ。
今一番困っているのは、指の先にアトピーが出来てしまったこと。乾燥して皮はめくれるし、料理するとき大根や生姜を触るとピリピリ痛くなって、お風呂に入っても痛みがとれない。さらに、薬をつけるとその指が物に触れなくてめちゃくちゃ不便。
というわけで、アトピーや他の肌疾患のある人に「化粧しないと」は禁句です。そもそも化粧するもしないもその人の自由なので他人がごちゃごちゃ言う方がおかしいのだが。