my bloody valentine『loveless』を聴いて
中一の頃、永遠にボカロを聴いていた。2000年代の初期のやつを。
それは部活と習い事以外の、初めて自分で見つけた音楽だった。当時それらの曲は、自分の世界に閉じこもるための道具でしかなく、それ以上の意味を持たなかった。
けれど、いまその時の音が、この1990年のアルバムに詰め込まれた音楽と繋がり、涙が零れ落ちた。
それはシューゲイザーというジャンルの持つサウンドや、囁くように夢のように聴こえてくる歌声といった、音楽的な共通点を見出だせたのもあると思う。
でも、それよりも、あの時の音たちが持っていた雰囲気――どこか誰にも気付かれないところで、誰にも聴かれないかもしれないけれど、生まれてきた。それも胸一杯の祝福を受けながら、生まれてきた――そういう雰囲気を、この音楽も持っているからだと思う。きっとそんな気がする。